一月ぶり in 尾瀬戸倉(2015.03.13)

「父、結局何人?金曜日は」
「5人。シバコちゃんが急遽行けなくなった」
「そうなの!?残念だろうな。いいとこまで来たのに」
「本人もそう言ってたよ。『また行くんでしょ』って」
「え!?あたしゃもう終わりだよ。行けないよ。行きたいけど」
「オレも今日で終わりだよ。1人は淋し過ぎる」
「だよね。じゃあ、シバコちゃんもいないことだし、好きなだけはしゃいできていいよ。とんでまわってこすっていいよ」
「おいおい、AKNちゃんはどうするんだよ」
「あたしに任せておいて」
「忘れるなよ、そのセリフ」

本日の登場人物

娘。「残念だなぁ」「楽しみは来年にとっとけ」

AKNちゃん「ごぶさたしてます」「だね。今季初?」「いえ、2回目です」

部長。「ひさしぶりだね、部長」「全くです。やっと解放されたので」

新井さん。「オレはこそこそ行ってて、体力余ってるから。そろそろコワザを」「それは部長に頼めよ」

私。「お世話係りも解放されたし」「はい、最後ですから思う存分。帰りの運転に差し支えない程度に」

「いつ見ても、その準備運動は他を圧倒しますね、社長」
「あ!?『他』にならないようにやれよ、部長も」
「いやいやそこまでは。しみじみ見るとお嬢も凄いですね」
「そうなんだよ。これが上達の秘訣なんだよ。ケガしにくいから、無理もきく」
「は〜わかってはいるんですけど。昔から柔らかかったんですか?」
「ノンノン。日々努力」
「だそうですよ、新井さん」
「新井君はね、下地が違うから。天性のものがあるから。それにちょっと手を入れれば、すぐだよ」
「あ、かつてはスーパースターですよね」
「そうだよ、小学校から高校まで、スーパースターだよ。オレなんから、その他大勢の口だから」
「いわゆるエキストラですね」
「それそれ。鎌田行進曲。よし!行ってみる?銀ちゃん」
「差し詰め、新井さんが銀ちゃんで、社長はヤスですね」
「何でもいいよ。行くぞ!」

「見てみなよ、部長」
「はい。ずいぶん差がついちゃいましたね。AKNちゃんとお嬢とでは」
「びっくりだよ、オレも。あそこまで上手くなっているとは」
「それこそ、新井さんと一緒にコワザじゃないですか?」
「だろ?本人も言ってた。そこで部長にお願いがあります。2人に教えて来いよ」
「え〜!?」
「人に教えて思い出すこともあるから」
「まあ、そうですけどね…。じゃあ社長、あのでかいのパンパンとやっつけて、いきましょうよ」
「いいけど、誰も行かないんだよな、あれ」
「はい。普通は行かないと思います。12mと15mですから」
「なるほど。じゃあ先陣を切るか」
「はい。社長好みの反り返った台ですから」

編集後記
「AKNちゃん、もう無理だろ?体力的に」
「はい。気持ちはイケイケなんですけど、体が…」
「そりゃあそうだよ。このメンバーの中で今季2回目じゃあ」
「皆はどうしたんですか?」
「高速で滑ってくるって、行ちゃったよ」
「社長は行かなくていいんですか?」
「オレも無理。1月ぶりだからね。足がつりそうだね」
「あたし見てました。相当はしゃいでましたよね。いつものことながら『ファンキーだなぁ』って」
「それって、ほめてる?」
「はい」
「ありがと。信じておくよ」
「お、来た来た。3人が」
「お疲れ様で〜す」
「よう、皆の衆早かったね」
「お嬢があまりに早いんでびっくりしましたよ」
「あ〜自重があるからね。加速しちゃうんだよ」
「父!」
「すまん。うまくなったから」
「ほんと、うまくなってましたよ」
「コワザ教えたの?部長」
「いえ」
「やっぱり。そう思って、オーリーだけ教えておいたんだけど。オレも娘も体力が限界だった」
「あ〜あんなに飛ぶからですよ」
「そうそう。3本目に飛んだときは、着地の瞬間に右足のストラップが外れたよ」
「あ、それで15m行けなかったんですか」
「そういうことにしておいてくれ」
「実のところはどうなんですか?」
「12mで飛び過ぎて、準備がままならないが本音だよ」
「じゃあ2本目がチャンスだったわけですね。本来であれば」
「実はね、届かねえかなって思ちゃったんだよ。ちょっと後悔」
「じゃあ今から行きますか?撮りますよ」
「無理!足がつる寸前だから。行きはYONEXの板って軽いなぁって思うけど、帰りは何でこんなに重いんだ。コンパネか?って思っちゃう位」
「あはははははは。それだけ疲れ切っているってことですね」
「その通りでございます。今季もなんやかんやで1人ぼっちは免れ、今日まで来たけど、遂に終わりだね」
「え〜!?終了ですか?今季は。えらく早くないですか?」
「次からは完全1人だし。やりたいことは、ほぼやったし」
「マジっすか…」
「あ、部長。お受験終わったから?無事に桜も咲いちゃって、余裕なわけね。メデタイじゃん」
「ありがとうございます。なので余裕があるんです」
「じゃあ、それは家族の皆さんと喜びを共にしてください。オレは釣りに行くから。もう釣りに行ってるし」
「そうですか。残念だなぁ〜」
「まあ、また来年もあるだろうから。もうジャケットとブーツは特価品買ったから」
「わかりました。社長は絶対にやってますよ。みんなもそれを望んでいるし」
「そうそう、新井君もいるしね。唯一勝てるのは、キャスティングとこれしかないから」
「あははははは。そんなことねえよ。オレの目標だよ。ハツラツシニア」
「実はさ、そのシニアって言葉に、違和感というか怒りってないんだよね。普通に受け入れちゃってるんだよ」
「そんなことはありません。全然シニアじゃないですから」
「そうそう」
「うんうん」
「ごもっとも」
「ほら!みんな、そう思ってますよ。ファンキーオヤジ」
「いや〜照れてしまうな、オレ」
「父、ちょっとゆるいってことだよ。気づいてないんだから、シニア」
「あ、そう。じゃあ気づかずにそのままばく進。みんな待ってるよ。帰って来いよ、帰って来いよ〜♪」
「よ!松村和子さん」
「全然知らない人ですけど、来期も現役のようです。では再見」


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