「あれ!?シバコちゃん、女の子らしくていいじゃない、そのウエア。ちょっとしわしわだけど」
「ほんとですか?実はある人から頂いたんですよ」
「お〜ちょっと意味深だね」
「いえ、全然。元彼です」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。いいんだよ、そんなの貰ちゃって。俺なんか毎回取られちゃってるもん」
「よ、ミツグ君現る。ネダっちゃえ、シバコちゃん」
「え、いいんですか?」
「じゃあアタシも」
「社長。余計なこと言うから、お嬢までノッテ来ちゃったじゃないですか」
「いいじゃない、頼むよ。オレは散々娘に貢いだから」
「そんなの当然じゃないですか。親としても、同行者としても」
「お願いしまくらないと」
「良かったね。シバコちゃん、こいつが貢いでくれるって」
「ありがとうございま〜す」
「じゃあ、オレとシバコちゃんはテケテケ行ってくるから、ペーは娘とガンガン滑ってくれよ」
「いいんですか?じゃあ、たまに見に来ますよ。ナンなら、社長、オレが教えますけど」
「無理っしょ、君には」
「そうですね。じゃあまたあとで」
「うわ!?テケテケに何でこんなに人がいるの」
「ほんとだ〜駐車場ガラガラだったのに」
「泊まりだな。スキー林間ってヤツだよ」
「歩いて登るから、いける?」
「任せて、社長。体力には自信あるから」
ハッハッゼッゼ
「この辺でいいだろ」
「社長、息切れしてるけど」
「気のせいだよ。シバコちゃんは平気なの?」
「アタシ毎日30分走ってるんです。通勤も毎日4km歩いてるし」
「なるほどな〜どおりで」
「社長、知ってる?アタシ腹筋割れてるのよ」
「マジかよ。オレと見せっこする?」
「あはははは。あとで」
「残念。まあ寒いしね。じゃあいってみる?すぐ熱くなるよ」
「は〜い」
「ダメだこりゃあ。狭くて。人が多過ぎる。リフト乗ろう」
「あ、2人も来ましたよ」
「じゃあ、一緒に行くか」
「あれ?テケテケ卒業ですか?」
「いや、中退。人が多過ぎてやりようがない」
「上はいいですよ。パフパフで」
「よし、行くか」
「キャーあ〜」
「いいね。楽しいよ、とっても」
「キャーあ〜」
「社長、さっきから触りまくりだし、いいんですか?」
「いやいや。ちゃんと了解を得てるから。それに緊急時のみ触ってるから。ねえ、シバコちゃん」
「そう、社長って意外と紳士でびっくりしちゃって。顔に似合わない」
「え〜何に見えるんだよ?」
「うんとね、土建屋さんか金融系の社長さんって感じ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。みんなそう思ってるし。どっちにしても普通じゃないですよね」
ドスッ
「う〜」
「シバコちゃん、今日は雪ぱふぱふじゃない。転んでも痛くないだろ」
「はい、全然平気です」
「もう一回乗って、メシにすっか?2人はガンガン行ちゃって」
「は〜い。行ってきま〜す」
「リフト2回しか乗ってないのに、凄え疲れた」
「社長、教えるの上手いですね。横で聞いてたら、わかりやすくて、オレ滑りがうまくなりましたよ」
「あそう。じゃあオレ、ここのインストラクターになろうかな」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。無理無理、顔が」
バキッ
「う〜」
「よし、メシ行こう。腹減ったよ」
「え〜?アタシごはんいらない」
「え!?何食うんだよ」
「肉と野菜」
「アタシもだよ。生姜焼き頼んで、ゴハンはオトウにやる。シバコちゃんは同じの頼んで、ぺー君にあげればいいんだよ」
「良かったじゃねえかよ、ぺー。貢物が来るよ」
「え〜オレも生姜焼き定食頼むんで、メシが2杯になっちゃいますよ」
「燃やせばいいじゃねえかよ。動け!」
「どう?シバコちゃん、ここの生姜焼きおいしいでしょ?あの大将、きっと凄腕なんだよ」
「ほんと。香ばしくてとてもおいしい。うちの店よりも」
「もうメシ2杯も食うと、味わかんない」
「いいね。たらふく食ってくれよ。このあといろいろやるから」
「社長、パーク行かなくていいんですか?」
「行くよ。隙みて」
「じゃあ、午後の部行きますか。その前にクレープですね」
「おめえ、まだ食うの?」
「いや。オレは無理です。お嬢とシバコちゃんですよ」
「シバコちゃんは食べねえだろう。アスリートだもの」
「食べる。アイス」
「おう、じゃあオレも」