謹賀新年 in ノルン水上(2015.01.01)

「賀正〜ん、父です」
「…?あ、初めまして、今日はよろしくお願いします」
「なっちゃんでいいのかな?」
「はい、それで」
「じゃあ、おじさんのことは『社長』と呼ぶように。間違ってもお父さんとかおじさんと呼んではならん」
「あはははは。父、無理だよ」
「無理か。娘より年下だもんな。じゃあ行ってみるか、ノルン目指して」

「よう!カネやん。謹賀新年」
「おめでとうございます。今年のアメリはカウボーイですか」
「違うだろ。牛じゃないんだから。シープドッグならぬシープキャットだよ」
「いませんね。そんなの」
「そりゃあそうだよ。世界初だから。何もしないけどね、寝てばっかりで」
「ええ。そりゃあそうです。ネコは寒いの苦手ですから」
「さて、カネやん。こちらはなっちゃんです」
「こいつはカネやんです」
「初めまして」
「どうも。今日は何回目?」
「はい、2回目です」
え〜!?
「え、ってことは今季初で2度目ってこと?」
「はい」
「う〜む。じゃあカネやん、任せたよ。なっちゃんのことは」
「いやいやいやいや。僕はスキーヤーですから」
「ダメか。じゃあ娘と一緒に滑ってきてよ。たまに見に来て。オレたちはあの網に囲まれたところにいるから」
「社長。毎年それやってませんか、それ?」
「そうね。いや、これが次につながる。若い芽を育て、はぐくみ、そして花が咲く」
「それにしちゃあ、誰も来てませんね」
「まあ、いろいろあるんだろ」
「じゃあ頑張ってください。お嬢、行こう」
「は〜い。じゃあ、なっちゃん、お父は教えるの上手いから大丈夫だよ」
「はい。頑張ります」

本日の登場人物

カネやん。「ウェア買いました」「お、いいじゃねえ」

なっちゃん。「何か自分を見てるみたいだな。去年の」「あ、ウェアですか」

娘。「アタシもジャケット買いました」「嘘です。オレのをあげました。サイズが小さかったので」

私。「オレもウェア買いました。パンツは686です」「上は釣りのカッパです」



「どう、カネやん。2年連続で最高のコンディション」
「ええ、ノルンとは思えないですよ」

「じゃあ、まずは歩いて、あの網のところまで行ってみる。前足だけつけて、こんな感じで、ついてきて」
「はい」
「ぜえぜえはっはっ。う〜苦しい。やり慣れてない」
「…?アタシは大丈夫です」
「あそう。若い子はいいね。じゃあ両足付けて立ってみて」
「あ」
「あれ!?」
「あ」
「大丈夫。焦らなくていいから。オレが前を持ってるから、かかとでゆっくり立ち上がってみて。膝は伸ばさないでね」
「あ」
ドスン
「あ」
ドスン
「う〜ん。だいぶ忘れちゃったね。良かったでしょ。入念に準備運動しておいて」
「はい」
「じゃあ、オレのマネしてみて。こんな感じで」
「はい」

「社長、どうですか?」
「お〜カネやん。オレは寒いよ」
「う〜ん、やはり時間かかりそうですね」
「まあね。まだたっぷりあるから、また遊びに来てよ。淋しいからさ」
「さて、さっきのを踏まえて、また行ってみる?なっちゃん」
「はい」
「そうそう。膝曲げてね。もっと曲げてね。もっともっと」
バタ〜ン
「今のがフロントサイドの逆エッジですね。不用意に膝を伸ばすと、そうなります。注意しましょう」
「はい。雪が柔らかくて良かったです」
「ケガがなくて良かった。じゃあ続けていってみよう」

「社長、凍傷になってませんか?」
「お〜カネやん。寸前だよ」
「ぼちぼち休憩した方がいいんじゃないですかね」
「あ〜そうだな。そうしよう。ちょうど娘も来た」
「お嬢、ちょっと休憩」
「は〜い。楽しい。雪が良くて」
「だよね。オレも楽しいよ。教え甲斐があって」

「何となく形になってきたから、リフト乗るか」
「そうした方がいいですよ。折角リフト券買ったんだから」
「よ〜し、行ってみよう。リフト降りるときは、娘支えろ。オレがその後ろを支えるから」
「はいよ」

編集後記
「もう無理っしょ?」
「はい、2回行けたんで、充分です」
「アタシャ、7回行ったよ。もういいよ。カネやんとお父で行ってくれば?」
「お〜カネやん。折角だから競争する?」
「今年のオレは早いですよ」
「あそう。じゃあ勝負」

「あれ!?いつの間にか抜かれてるし」
「何だよ。さっきの話は。早いんじゃないの」
「社長、もう一回」
「いいよ。オレは端っこのパフパフ滑って、最後に抜いちゃうから」
「そうはいきませんよ」

「あれ!?また抜かれた。しかもスイッチ」
「まだまだだね。カネやん」
「はい。またお願いしま〜す」
「お疲れ〜。帰るぞ〜」

「う〜腹空いた。帰りはバーミヤンか」
「そうね。あたしもお腹空いちゃったし」
「じゃあ、3人で行こう。バーミヤン」
「あたしは全然空いてないんで、大丈夫です」
え〜!?
「マジすっか。じゃあ早々に帰ろう」
「今日は本当にありがとうございました」
「もう大丈夫だよ。横滑りがフロントもバックもばっちりできるようになったから、どこ行っても大丈夫だよ」
「はい。嬉しいです」
「もうちょっと時間があればね。ターンの練習とか。横滑りだけでは醍醐味に欠けるからね」
「そうそう。また行ってくれれば、うちのアッシーがいくから」
「すみません」
「いいんですよ〜。アッシーでメッシーでミツグ君だから」
「はい、そのときはお願いします」
「待ってるよ〜じゃあね〜」
「お風呂あがったら、良〜くマッサージした方がいいよ。またね」

「あ〜あ、12時だよ。今からラーメンもな」
「そうね。じゃあコンビニおにぎり?」
「ヒジョ〜ウにワビシイけどぅ、それですね。あ〜腹減った」
「まあ来週は合宿だから」
「何も起きないことを祈るよ」
「そうね。去年みたいな」
「5、6、7は合宿です。お楽しみに〜」


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