「金井です。すいません。仕事になっちゃいました」 「仕事?」 「ええ。品川まで行かなきゃなんないんですよ」 「そりゃあ気の毒だね。せっかくの休みなのに」 「はい。でも、お客さんの都合なんで…」 「じゃあ、帰りはAKB?」 「いえ。1回行ったんで、もういいです」 「じゃあ、オレは福ちゃんとか…」 「はい、そうですね。また勘違いされないように」 「そうね。題して『人妻とシニア』う〜ん、ドラマみたいだ」 「じゃあ、気をつけて行ってきてください」 「でへへへへへ。行ってくるよ」
「…というわけなんだな、福ちゃん」
「あれ!?意外に人がいるね」
「先々週よりは全然いる」 「先週も少なかったよ。スキー場も大変だね。これじゃあ」 「はい。土日にどの位入っているか」 「スキー場情報のコメント欄に、格安ツアーが使えないとかなんとか書いてあったけど、そのせいかね」 「あら?その人知らないんだ。格安バスツアーってのがあるんですよ」 「そうなんだ。じゃあ、コメントを書いた人が知らないだけだ」 「そうですよ。だって、今日、篠さん、そのツアーで来るって言ってましたから」 「え〜!?じゃあ、篠さん一人?」 「はい、一人なんで、バスに乗ってくるって」
「あ、社長さん、いらっしゃい。一人?」
「こんにちわ。いやいや。人妻と2人です」 「人妻と…?」 「はい。でへへへへへ、な関係ではありません」 「あら、わかってるわよ」 「ありがとうございます。じゃあ、いつもので」 「あれ!?福ちゃん、ザンギ定食にしたの?」 「はい。だって、おいしかったから」 「社長は相変わらずですね」 「だね、篠さん。五目ラーメンを2年半、田舎ラーメンを5年食べ続けてる」 「は〜8シーズン目だから、すっかりローカルですね」 「いやいや、篠さんはそれ以上じゃん。ときに、どうなの?そのバスツアーって」 「もう、楽々ビール2本も飲んじゃったよ。ずっと寝てられたし」 「ちなみにおいくらなの?」 「三千円です」 「安!」 「これって、リフト券まで入ってるんだよ」 「ナニー!それって、オレのシニア券より安いじゃん」 「でしょ。オレもびっくりしちゃった。友達に聞いて、初めて利用したんですけど、アリですよ」 「可能であれば。ただ、オレはイビキが凄いよ」 「あははははは。それはオレも同じなんで」 「ちなみに場所はどこ集合なの?」 「大宮と川越ですよ」 「う〜ん、それは無理だな。方向が反対だ」 「残念ですね」 「まあ、オレは人妻とでへへへへなミニ旅行の方がいいかな」 「社長!全然、旅行でもなければ、でへへでもありません」 「はい。すみません。じゃあ、午後の部行ってみますか」
編集後記
『良くみえるんですか?』
「社長、年配者の扱い、上手ね」 |