うちでは若手?と in 鬼牧川(2015.10.12)

「こんばんわ」
「よう!ワイパー君。珍しいね、こんな時間に」
「あ、はい。ちょっとお願いが」
「読めてるぞ。『12日赤い日だけど、釣りに行きませんか?』だろ?」
「あ、はい。正解です。どうでしょう?」
「待ってたよ。オレも1月半ぶりに船乗りたいよ」
「いいですか。で、オカッパリはどうだったんですか?」
「釣ったんだよ。そこ行くか?」
「はい。自分はどこでも」
「あ、そう。じゃあ、レイクオキチョビ行くか」
「え!?それはどこですか?」
「アメリカはフロリダだね。で、格安ツアーってのがあるから。渡航費は君のおごりだな」
「いえ、それは。鬼牧川でお願いします」
「了解。追って、時間は連絡するから」
「はい、ありがとうございました」

「いらっしゃい、上田君。一人かい?」
「こんにちわ。はい、片山君がデートなんで」
「なんだって!?うちの娘か?いや、さっき家にいたな」
「あははははは。実は職場に若い娘が入ってきて、その娘と」
「いいね。年の頃は40半ばの独り身の麗しい方はいない?」
「え!?」
「いや〜なに、その、お友達にね〜」
「あははははは。社長がですか?」
「まあ、たまにはいいかと」
「聞いときます」
「じゃあ、12日も独り身?」
「はい」
「じゃあ、行く?まだ乗れるよ、船」
「え!?いいんですか?」
「いいとも、青年隊だよ。もう1人はワイパー矢嶋君だよ」
「はい、お2人の邪魔をしないようにこっそりとやってます」
「そんなこと言わないで、ガンガン行った方がいいよ」
「あ、あ、あ。それなりに」
「詳しくは後日。また来んだろ?」
「はい。2、3回位」
「来なかったら、バーミヤンに伝言しとくから」
「あははははは。社長、あそこでは有名人ですから」
「あ〜スペシャルメニュー、ユーリンジー細切りのせい?」
「はい、バイト全員知ってますから」

本日の登場人物

上田君。「結構緊張してます」「いいね、適度な緊張感」

ワイパー。「自分もです。久々なんで」「嘘つけ!」

私。「オレも緊張してるよ、1か月半ぶりなんで。操船できるかな」「ガハハハハハ」

「お〜、あれ?あれれ?やばいな、雰囲気が変わちゃってるよ」
「かなりクリアですね」
「秋だね。柿食う?」
「え!?持ってきたんですか?」
「いや、ないけど。買いに行ってもいいよ」
「社長、早く運んで釣りしましょう」
「お、そうであった。とっと行こう」

「う!心肺機能が。息切れが」
「ひさびさの荷物運びはききますね」
「全くだよ。上田君にいたっては、長靴履いてないし」
「すいません。持ってないんです」
「いたね。ここにも。最近の釣り人にありがちな、長靴とカッパ持ってない系」
「いえ、カッパは持ってます。ワークマンの」
「お〜今はあなどれないワークマン。透湿防水機能を持っているにもかかわらず激安だからね。1年は大丈夫だよ」
「はい、実はそれです」
「じゃあ、次は長靴もね」
「はい、そうします」
「でわ、出発。ワイパー真ん中、上田君は後ろね」
「お願いします」
「まずは、390円のポップマックスそっくりボディのオレが塗った奴、えい!」
「社長、ポッパーっていうよりペンシルみたいですね」
「だね。回収のときもいい動きしてたよ。ほらほら」
ガバッ!
「お、出た。ハリちょっと触った感じ。のらない…」
「幸先いいですね。3投目ですよ」
「あとが続きゃあいいけど」

「矢嶋君、案の定だね」
「はい。あれっきりです」
「コーヒーでも飲むか?」
「是非」
「え!?ここで飲めるんですか?」
「そうだよ。船上カフェだから」
「あははははは。ほんとですか?」
「上田君、本格ドリップコーヒーが楽しめるんだよね」
「はい、どうぞ〜」
「あ〜おいしいですね」
「ちょっと冷えてるからね、今日は。おにぎりも食っちゃうか」
「社長、5個目ですよ」
「いや〜健康だね」

「お!出た。んだよ、のらないの?小さかったからな〜」
「社長のは、メガバスですか?」
「そう。エクスプローズのオレ塗りチャート」
「ガハハハハハ」
「ワイパー、笑うな。チャートの威力は自覚してるでしょ?」
「はい。もちろん。上田君も見習った方がいいよ」
「え!?そうなんですか?こんなクリアなのに」
「でしょ?ここが不思議なところなんだよ。ナチュラル系もいいけど、やはりチャート。上田君はルアー作ってるんだから、チャートに塗った方がいいよ」
「え!?上田君、ルアー作ってるの?」
「はい。さっき投げてたの、そうです」
「いや〜矢嶋さんのキャスティングに比べれば」
「だよな。ワイパーはうまいよな、キャスティング」
「社長、プレッシャー止めてください。弱いんで」
「じゃあ、ワイパー、あの穴に投げて」
「え〜!?あ〜やっぱり」
「惜しかったね。じゃあオレが」
チャプ
「出た、けど、それじゃあ載らねえよな」
「社長、3発目ですよ。まだまだ行けますよ」
「やっぱりチャートなんですね」
「タメになった?」
「はい、とっても」
「と、偉そうに言ったものの、誰も釣れてないんだよね」
「いや、これからです。ねえ、上田君」
「はい」

「メシも食ったし、昼寝もしちゃったじゃん。こっから船着き場まできっかり2時間。イケル?上田君」
「いえ、その手は既に感覚がありません」
「だよね。オレも手が痛えもん」
「両手投げの社長がですか?」
「そうなんだよ、ワイパー。久々なんで力んじゃう力んじゃう。リールも調子悪いし」
「僕にはそんな風には全然見えないですけど。社長も矢嶋さんも上から投げて、入れちゃうじゃないですか」
「まあ、慣れだな。3人乗りだから、サイドキャストできないし。特に真ん中は」
「上田君のはこう竿をしっかり曲げるのがいまひとつだから。こんな風にやってもらうといいと思うよ」
ピューン。ポチャ
「凄いですね。見てて分かってはいたんですけど」
「低くライナーで投げると、目線の中にずっとルアーがあるから、あとはサミングですっと落とすだけだから。上田君はサミングが急ブレーキだから、ルアーが戻ってきちゃう。もったいないよ」
「はい。それもわかってたんですけど、引っかけるのが怖くて」
「社長を見てみて。トリプルフック3か所あるルアーをあの中に入れちゃってるんだよ」
「引っかからないんですか?」
「引っかかるよ。一発で。そういうときは、こうやって外すのよ」
シャカシャカ、パシパシ。ポロリン
「ね〜」
「凄ぇ」
「と、言った具合に外れることもある。第2のチャンスだね。でも、たいがいは引っかかったまま。『すみません』と取りに行く」
「ガハハハハハ。でも、たいがい外れますよね」
「そう、バーブレスだから」
「は〜、タメになります」
「ってなわけだから、ガンガン攻めちゃって。引っかかったら糸切ってね。そのまま帰るから」
「ガハハハハハ」
「え!?そんな」
「おし、あと2時間、アタリはあるのか?」

あとがき
「お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
「結局、あれっきりだったね」
「あ、はい〜。残念です」
「オレが3発、ワイパーが1発。上田君、残念ながらノーバイでした。疲れたでしょう?」
「はい、ヘロヘロです。ある程度予想はしてたんですが、まさかここまでとは」
「2度と来ない人もいるんだよね」
「ガハハハハ。HクラフトのYさんですね」
「あれっきりだよ、アイツ」
「ガハハハハ。船の上で死人のようでしたから」
「ほんとだよな、死んでるかと思ったもの」
「そうなんですか?自分はその方よりはマシですかね?」
「若いからね。道具も我々と同じだし。全然違うよ」
「ですね。今日思いました。同じ道具なのに、こんなに違うのかと」
「慣れれば、大丈夫だよ。上田君」
「はい。矢嶋さんに教わったのを、忘れないように練習してきます」
「残念ながら、残された機会は少ないよね。今季あと2回かな?」
「あ〜そうですね。須田さんはどうなんですか?」
「山田さんね。あてにはしてないよ。家庭の事情もあるしね。母上が療養中という」
「あ、そうでした。じゃあ社長ひとりですか?」
「いや、2人がいるじゃん。休んで来いよ」
「いえ、それは。なかなか」
「だよね。大丈夫。一人遊びは慣れたから」
「来年が心配ですね。ひとりの可能性が高いですよね」
「全くな。金井君がパパになり、山田君が出不精になり、出不精たって釣りに関してだよ、お姉ちゃん絡みはどこでも行っちゃうから」
「ガハハハハ。ほんとですね」
「須田さんって、そういう方だったんですか?」
「そうそう、そういう方。まあ、スノーボードもひとりだし、なんとかなるだろ。ただ、船が出せないな、オレのは」
「いよいよカヤックですか?」
「いや。それはないな。川島さんにもらったフローターで楽しむよ」
「なるほど。爆発しないように気を付けてくださいね」
「そりゃあそうだ。死ぬかと思ったからな」
「上田君は持ってるの?フローターとか」
「あ、ないです。でも、船があります」
「え!?船持ってるの?」
「はい、片山君と一緒に須田さんから買ったんですよ」
「おう、そうだ。片山君が行けないなら、ワイパーと行けばいいじゃん」
「あ、そうですね。矢嶋さん、船ありますから、お願いします」
「じゃあ、是非」
「いいね。休みが合って。いやいや、オレはひとりでも大丈夫。じゃあ、また来週〜」

追伸
「思うに、上田君はワイパーよりも年上なんじゃないかと?」
「いや、間違いない。年上だ」
「船上では完全に逆転。上田君呼ばわり」
「ま、いいか。確認はしてないから。和気あいあいとやってたし」
「今度聞いてみよう」


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