フローターパトロール第4弾、自動膨張装置作動!!(2015.07.13)

「ヤベ。足ヒレとウェーダー忘れた。ここまで来て、思い出しちゃったよ」
「あ〜あ、陸っぱりにするかな!?いやいや、この陽気で陸っぱりはできない。帰る」

「あ〜あ、こんな時間になっちゃった。せっかく早起きしたのに」
「どれどれ、水の具合はどうかな?お〜前回よりはちょっと多い」
「じゃあ、ここから下ろして苦労したから、もうちょっと深いところから」
ワッセワッセワッセ
「あれ!?草が生い茂っていてわからない。ってことは、人が入っていない。釣れちゃうね」
「もう一回戻って、浅いけど我慢して出るか」

本日の登場人物

私。「山田君、所用があり不参加。流石にこらえ切れず、一人でフローター。ほぼ1月ぶりの釣行」

「ふ〜。やっと、深くなってきた。ほんと、ここは大変。まるで干潟」
「は〜。一息入れて、行ってみるか〜」

「全く反応がない。おかしいな」
「小魚はちょろちょろしてるし、コイはさっき出てきたし、もうちょっといってみるか」
ジャーッジャーッチョロロロ〜
「お、何か出てきた。見てる。雷・魚?ヤベ。カエルだ。回収〜」
「あ〜危なかった。あんなのかかった日には大変だよ」

「暑いな、今日は。何度あるんだよ。ただ、そよ風が気持ちいい」
「いよいよ来た。実績ポイント。ここはいけるだろ」
シーン
シーン
シーン
シ〜〜〜ン
「何にも起きない。あ〜あ、今日もノーバイかよ」
シュー
「あん?なんだ?飛行機?」
シュー
「またかよ。何だよ、この音は」
ボ〜ン!!
「あ!破裂した。フロータ。沈む」
ジョボジョボジョボ
「うわ!水が入ってきた。やベー」
ボン!!
「お!ライジャケが開いた。良かった」
「あ、あ、あ。ライジャケが上にあがる。ヨイショヨイショ」
「お、ちょっと体が浮いた。良かった〜。うん!?気がつけば、足ヒレの先が底に届く」
「もがいてみるか。フン!フン!フン!」
「お、ちょっと進んだ。足ヒレ底にびったり着いた。取り敢えず、岸まで歩いていこう」
「ゲッ!足ヒレ、ヘドロにめりこんだ。しかも脱げた。両足脱いじゃえ」
「フん!フン!フン!何とか進んでる」
「お〜辿り着いたよ、岸まで」
「あ〜驚いた。死ぬかと思った。ここで死んでも誰も気がつかない」
「まずは、フロータを外して、貴重品の点検」
「カギ、電話、タックルボックス、竿、水筒。お〜大丈夫」
「さて、どう帰るか。水の中を歩いて帰るか。そうだな、このうっそうと茂る葦原の中、200m強歩くのは無理だし」
「よし、岸沿いをのんびりいくか」
ズブズブズブ。ズブズブズブ
「ダメだ。どこまで沈むかめり込むかわからない。え〜ここよじ登ってかき分けて帰るのか。この絶望感。帰らないわけにいかないし」
「う〜ん、ヨイショ。う〜ヨイショ。やっと上がれた。まずはウエーダー脱いで、水を出して。それからだ」
「こんだけ茂ってたら、右も左もわからない。川に沿っていくしかないな」
「よし!いくぞう」
バキバキバキバキ。バキバキバキバキ
「暑!風が全然通らないし」
「ここはどこだ?まっすぐ進んでる?たぶん右に川があるはずだから、そっちに行った方がいいな」
バキバキバキ
「あれ!?もうちょい先か?相当左に行っちゃったんだな。アブねえ。お〜川だよ、落ちるかと思った」
「ここに沿っていけば、車までいけるはず」

「まだかよ。どの位来たんだろう。喉がカラカラだ。あ、水筒あった」
「これも水没してるんだよな。いやいや密閉容器だから大丈夫」
ゴキュゴキュゴキュ
「う〜生き返った。さらに前進」
バキバキバキ

「暑!戦争中、ミンダナオ島にいた兵隊さんもこうだったのかな。砲撃がないだけマシか」
「それにしても暑い。あ〜ちょっと休むか。なんじゃこりゃ!」
「腕傷だらけで、虫だらけ。うわ!気持ち悪いし、切れたところが痛いし、この虫はなんだい?刺したりしないのか?」
「あ、急いで帰る。それしかない」
「フン!フン!フン!」
バキバキバキ、ガサガサガササ
ゴーゴーガラガラガラ
「うん!?あれは畑を耕すトラクターの音だろ。違いない。ということは、もう少し」
「お、うっすら遠目にトラクタに乗るオジサンが天使に見える」
「『おじさ〜ん!』と叫びたい。いやいや、向こうがびっくりする。『おめえ、どっから来たんだよ』って」
「おじさんが遠くに離れたときに出て行こう」
「お、チャンス」
ガサガサガサ
「あ〜やっと抜けたよ。お〜やっぱりオジサンびっくりしてる」
(どっから来たのって顔してる)
「ど〜も〜今日は暑いですね〜」
(お、さらにオジサンびっくりしてる)
「早いとこ車に戻って、水分補給と着替えねば。あと100m。今度は楽だ。走れる位。まあそれは無理だけど」


あとがき
「あ〜疲れた〜。でも、無事着いて良かった〜」
「まずは全部脱ぐ。パンツ一丁になって、体拭いて水かぶる」
ザバ〜
「フ〜!気持ちいい。でも500mlしかない」
「あとは熱中症対策の飲み物しかないから、かぶれないなぁ〜。お、除菌ウェットティッシュがあった」
「気持ちいい〜。痛ぇ!葉っぱで切れた腕が傷だらけだから、痛い。耐える。消毒消毒」
「さて、着替えるか。は〜。一式の着替えがあってよかった。あのままじゃあ気持ち悪くて帰れない」
「空気入れてるときに破裂したってのは極マレに聞くけど、浮かんでるときに破裂なんて初めて聞いたし」
「良かった。自動膨張のライジャケで。手動じゃあ、パニックったら引けないよね」
「みなさ〜ん、今だから笑える話です。装備の点検は最重要です。ライジャケも自動膨張をおすすめしま〜す。ちなみに私のフローター25年モノ。中のチューブは取り替えているので、ちょっと新しくて10年モノ」
「じゃあ、また来週〜」

追伸
自動膨張したライジャケ。
ウェーダーは穴だらけでボロボロ。ゴアテックスなのに。
腕は腫れあがって、傷だらけ。





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