3人だよ in たなご川(2015.05.19)

「着いたね。朝から雨。どうなの?」
「ええ。雨男ですから、社長は」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。実はオレもなんですよ。社長のがうつりました」
「ぺーもかい。だからか。結構な降りだけど、橋の下からおろすか」
「ええ、そうしましょう」
「ガーン!長靴忘れた」
「フロータんときも忘れてましたよね。予備はないんですか?」
「残念ながら、スニーカーしかない」
「スニーカーはビッショビッショになりますから、まだビーサンの方がいいと思いますよ」
「え!?この寒空の下、雨の中で素足?歌っちゃう?♪えくぼの秘密あげたい〜わ♪」
「何ですかそれは?」
「おいおい、とぼけんなよ。松田聖子さんじゃない。裸足の季節、デビュー曲。結構好きだったんだよ。歌うまいし」
「え!?何年位前ですか?」
「35,36年前かな〜」
「微妙ですね。自分小学生です」
「じゃあわかるだろ?」
「いいえ、ドリフ一直線でしたから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。オレは絶対無理ですね。産まれてないですから」
「じゃあ、帰って先輩に聞けよ」
「はい、オヤジに聞いてみます」
「じゃあ行くか。寒そうだけど」

本日の登場人物

ぺー。「おニュー合羽ですから安心です」「それは3人ともだよ」

山田君。「チャッチャッチャッと釣っちゃいましょうよ」「そう願いたいね」

私。「午前中が限界だな、素足は」「社長は平気ですよ、年中裸足ですから」

「お!いきなり出たね。ルアー消えもせず」
「幸先いいじゃないですか」
「あ!」
「見てたぞ。ぺー。絵に描いたようなびっくりアワセ」
「やってしまいました」
「やっぱチャートか?」
「そんな感じですよね」
「微妙に流れてるかね?」
「ええ。僅かに。って言うか、かなり濁ってますよね」
「田んぼ水か。まあ大丈夫だろ」

「社長、また狼おじさんですか?」
「フン。フン。フン」
バシャバシャバシャ
「あれ!?バスじゃないですか?待っててください。すぐにすくいますから」



「社長、39.5ですよ」
「うそ!40あるだろ?」
「いいえ。それは西牧流に測れば、42位までいきますね」
「でもいい、嬉しい今期初バス。
ルアーは利根スプラッシュ、チャート自塗りモデル」
「さっきから釣ったふりして、実はフェイクってのを
繰り返してましたから、またかなと思ってましたよ」
「ぺー君、そういうときは騒いでたろ。
本当に釣ったときは静かなもんだよ」

「ちょっと静かになっちゃいましたね」
「はい。あまりの寒さに。オレ的にはもう上がりたい」
「そうはいきませんよ、社長」
「わかってるよ。こんなときはナイスキャストしかない」
「お!出た。のった」



「ちょっと小ぶりだけど。ルアーは川島君に
もらったチャートのペンシル」
「やっぱチャートっすか〜」

「11時10分。寒い」
「社長。わかりましたよ。ちょうど橋の下に戻ってきましたから、ゴハンにしましょう」
「いや〜いいね。そのセリフ。メシ食ったら、車で寝る。船の上じゃあ無理」
「ええ。我々も無理ですよ。3人で車の中で休みましょうよ」
「おう!じゃあ見る?バックツーザフューチャー」
「見ませんよ。寝ますから」


「完全にピクニック状態ですね」
「お!ペー君。対岸のアベックに『コーヒー飲む?』って聞いてきて」
「アベ?アベアベ」
「ナンだよ?」
「そのアベなんとかってのは何ですか?」
「アベックだよ。知らねえのかよ。男女仲良く2人いるのを言うだろ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。カップルのことですか」
「カプ?カプ、カップル?アップルなら知ってるぞ。使ってるから」
「ウォッホッホッホッホ。社長、自分は両方使い分けてますよ。ちょうど中間ですから、ぺーと社長の」
「いつからカップルになったんだい?」
「たぶん長島さんと王さんが引退したからですよ」
「お、ONアベックホームラン。凄かったんだよね、あの2人。阪神ファンのオレには辛かったよ。ってことはずいぶん前だな。えくぼの♪頃か」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。わかんねえ」

「さて、午後の部行きますか」
「そうだね。だいぶ温まったし、雨も止んだし」



「来ましたよ、社長」
「やりましたね、山田さん。サイズはいかほどで?」
「29cm。ルアーは大吉Wスイッシャー平成10年モデル」
「お〜なつかしいね。その頃は誰でも買えたね」
「ええ、旦那も勢いがありました」
「いや、別の意味では勢いあるよ。子ども3人だから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」


「バシャバシャになっちゃったね」
「はい。雨が止んだら、風が吹く。社長の言う通りですね」
「寒っ。帰りたい」
「社長、オレまだ釣ってないんですけど」
「ペー君。君は人一倍アタリがあったのに、みんなびっくりじゃん」
「はい。実は。なので、ルアー見ないようにしてるんですけど、アタリがなくなっちゃいました」

「残りあと30分だから、頑張れ」
「それは社長もですね。いきなり『全開で帰る』なんて言わないでくださいよ」
「いや、言うかもしれない。さっきオレがかけたのに、ぺーがランディングであたふたしてるから、ばれた」
「え!オレのせいですか?社長、いいって言ったじゃないですか」
「あれ!?覚えてた?抜いちゃおうと思ったのよ。意外と大きかったんで、網待ってたらばれちゃった」



「キタぁ〜。35cmあります。山田さんすみません」
「良かったね、対岸に移動したらすぐじゃん」
「社長、今日は読みが抜群ですね」
「だろ。早く帰りたいからね」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。そんな理由ですか」
「ぺー君。君も朝5時から裸足でやってみたまえ。よくわかるから」
「ウォッホッホッホッホ。ペー、今からでも遅くない、やれ!」
「いえ。最終地点の前で釣れましたから、このまま帰りましょう」
「良かったね、3人とも釣れて」
「ええ、全くですよ」

あとがき
「お疲れ様でした」
「お疲れでした〜寒かった〜」
「ええ、自分は途中でフリース着ましたから」
「オレ、そういうのは車に置きぱなしだった」
「寒がりの社長が珍しいですね」
「そうなんだよ。車で寝て温まったもんだから、勘違いしちゃったよ。まあ、アタリも7発あったし、3回のったんで、オレ的には大満足だよ」
「ええ、その通りですよ。ぺーも自分も6発出ましたから」
「はい、ウキウキウキ。ラッキーデーラッキーデー」
「え!?今日じゃねえだろ?」
「だいたいこの辺です」
「良かったね、3人とも八郎前に釣れて」
「ええ、本当ですよ。毎年のことながら、ドキドキもんですから」
「さて、来週は山田君と2人っきり」
「ええ、鬼牧川で釣らないと」
「そうだね」
「社長、勝者ですね。メシはどうしますか?」
「たまにはサブ行くか?」
「お、いいじゃないですか。久々ですよ。ねえ、山田さん。敗者ですけど」
ドスッ
「う〜やっぱりこうなる。今日はないと思ってたのに〜」
「社長、運転は任してくださいよ」
「そういうことは言わない方がいいと思うよ。出来た試しがないから」
「取り敢えず、コンビニまではお願いしますよ」
「了解」

「ぺー、見てみなよ」
「爆睡ですね。予想通り」
「来週をお楽しみに〜」


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