キャスティング、どうでしょう (2015.01.16)

「いらっしゃいませ」
「こんにちわ。竿が欲しくて来ました」
「ありがとうございます。どのような?」
「かくかくしかじか…なんですよ」
「なるほど。モノは試しですから、投げてみますか?」
「ぜひ!」

「梅林さん、キャスティング上手い」
「いえいえ」
「相当釣り行ってるでしょ?」
「まあ、それはそうですけど」
「自分の道具ではないのに、それだけできる人は、なかなかいらっしゃらないですよ」
「あ〜そうですか」
「そうですよ。何より凄いのは力みがない。軽い」
「あ〜自分じゃわかないっす」
「折角、竿を選ばれたことだし、『キャスティングどうでしょう』やりませんか?」
「え!?それは…」
「…というルールなんですよ」
「あ、やります」
「ご友人もいかがですか?」
「いえ、僕らは2人とも釣りしないんですよ」
「あ、なるほど。ところで、あその赤いスニーカーはエアージョーダンですよね」
「ええ。6です」
「いやあ、見たことないですけど」
「はい。実は昨日までハワイにいまして、おみやげに買って来ました」
「どおりで。ハワイはサーフィンですか?」
「いえ、単なる観光です」
「あ、なるほど。ちなみにジョーダンはいくつまで来たんですか?オレが知ってるのは12までなんですけど」
「たぶん22位だと思います」
「そんなにですか。お、いかんいかん。梅林さん早速いきましょう」

本日の登場人物

梅林さん「いや〜ドキドキしますね」「いやいや、さっきの調子で」

「でわ、どうぞ」
「う〜ん」
「あ〜」
「あ〜」
「惜しい」
「あ〜」
「う〜ん。残念でした。また来月お願いします」
「いや〜悔しい。熱くなりますね、これ」
「でしょう。単純なだけに」


あとがき
「お疲れ様でした」
「いや〜悔しいです」
「ですよね。あんだけ上手かったら。でも、入らない人の方が圧倒的に多いですから、あまり気になさらないでください」
「そうですか。悔しいな〜」
「実釣であれば、全てOKなキャスティングでしたよ。これはあくまでもゲームですから」
「なんですけど、やっぱり悔しいです。また来ますよ」
「ぜひぜひ。お待ちしてますんで。今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそ。う〜ん、でも悔しい」
「みなさ〜ん、奮ってご参加くださ〜い」


戻る

Copyright (c) 2015 WATANABE COMPANY. All rights reserved.
inserted by FC2 system