火曜日だけど in 鬼牧川(2014.11.04)

「誰もいませんね、社長」
「そりゃそうだろ。寒いし、3連休あとだし、まだ暗いし」
「寒くないですか?」
「そりゃあ11月の明け方だから寒いよ。オレなんかダウン持ってきたよ」
「マ〜ジですか」
「まさかペーはそのパーカー一丁でガンバル気じゃないだろ?」
「はい。合羽は一応持ってきました」
「それって、冬用じゃないでしょ?」
「違うんですか?社長のは」
「メガバスの綿入りカッパ」
「え〜!?ダウン着て綿入りカッパですか?暑くないですか?」
「たわけ!暑かったら、脱げばいいんだよ。そのためのレイヤード・システムだよ」
「なんすか!?それ」
「平たく言うとだな…」
「ウォッホッホッホッホッホ。社長、この子には平たくじゃなく、やさしく簡単に言わないとダメですよ」
「勝手に登場しましたね。さんざん渋ったくせに。本日の釣行を」
「ウォッホッホッホッホ。まあいいじゃないですか。あのね、加藤君、レイヤード・システムと言うのはね、アレだよ」
「は?」
「だから、アレだよ。アウトドアの人が良くやってる」
「もういいよ。だいたい山田君はぺーのルアーに釣られて、今日来たわけなんだよね〜?」
「いえいえ、全然違いますから」
「よく言ってるよ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。山田さんは、オレが送った画像見たら、即参加っていってましたよ。ルアーに食いついたギルみたいですね」
ドスッ
「う〜。聞くところによると、杉山先生にほめられ、図にのってるって噂は本当だった…う〜」
ドスッドスッ
「う〜」
「あそうそう、平たく言うとね、重ね着だね」
「う〜そんな簡単なの…最初からそう言ってくださいよ」
ブ〜ン、バシッ
「う〜今のはなんですか?」
「山田君得意のローリングソバットだね」
「あ〜初代タイガーマスクのアレですか」
「良く知ってるね。その年で」
「はい。オヤジに聞きました」
「もういいじゃねえの、釣りの準備はじめて」
「ウォッホッホッホッホ。だいぶ体も温まったんで、そろそろいきますか」

本日の登場人物

ぺー。「オレ、今日最後なんですよ」「なんで?」「来週は重大発表があるって言うんで、会社休めません」

山田君。「クビ?」「いえいえ、山田さんと違いますよ」ドスッドスッバシッ

私。「あ〜あ、またワン・ツー・ソバット」「う〜」

「寒くないの?ぺーは」
「めっちゃ寒いです」
「社長、この子は変だから、ほっといた方がいいですよ」
「カッパ着ればいいじゃん。パーカーだと風が抜けるから、体感温度が下がるよ」
「はい、そうします」

「指冷たくないの?ぺーは」
「冷たいの通り越して、かじかんでます」
「グローブ持ってねえのかよ」
「船積み用のヤツしか」
「ほんとユルユルだね。オレの貸してやるよ。ダブルグローブだから。はい、ネオプレーンの方」
「すみません。社長は平気なんですか?」
「ネオプレーンの下にフリースグローブしてたから、こっちだけでも大丈夫」
「うわ。全然違う」
「でしょう。風が抜けないからね」
「帰りに買います」
「そりゃあ結構」
「社長、全くアタリがないんですけど」
「まあ無理もないよね。このビュンビュンの風は。ちょっと危険な位だよ」
「天気予報が外れましたね。朝は静かだって言ってたのに」
「それってヤフーだろ?」
「たぶん」
「あれ、当たんないんだよね、ヤフーのは。よし、1番のポイントに行っちゃおう。ダメなら即下る」
「全開いきま〜す」
バシャバシャバシャーン
「ダメだ。白波立って来たし、下りる」
「下もバシャバシャだったら、どうしますか?」
「山田君ちでバーべキュー。具材はたっぷりあるから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」

「お〜バーベキューしなくて済みそうだね」
「ですね。釣れそうです」
「バカ!言いやがったな、そのセリフを」
「え!?なんすか?なんすか?」
「それは禁句なんだよ。絶対釣れないんだよ。それが出ると」
「めっちゃ釣れそうですけど」
「あそう。じゃあドンドン投げて」
バシャ
「お!出たね。よくびっくりアワセしなかったね、ぺー」
「はい、耐えましたよ。でも、ルアーが消えませんでした」
「山田君、フォローキャスト」
「お任せください」
シ〜ン
「あれ!?どっか行っちゃった」
「ええ。以上のようですよ。本日は」
「そうだよね。この風だし、唯一静かなこの辺りに、餌釣りの人集まって来ちゃったし」
「寝るか?」
「ええ。いい時間ですから。寝ましょう。日向で」

「がっちり1時間寝たね」
「はい。こりゃあちょこっとやったら、昼飯を食べに行きますか、どっかへ」
「昼サブですか?」
「あ〜サブね。ここんとこ行ってないんだよ、ね〜山田君」
「そうなんだよ。加藤君。社長と2人で違うとこ行ってるんだよ」
「え!?新たな店ですか?」
「そんな感じ。それまでガンガンやって、釣り」

「社長、とっくにお昼過ぎちゃってますけど」
「あれ?ほんとだ。風も収まってきて、いい感じだから、結構頑張っちゃったね」
「何も起きませんけど。メチャメチャ腹空きましたよ」
「2つのコースがあります。第1のコース、加藤君、今からメシを食って、夕方まで頑張る。第2のコース、山田君、今から撤収してメシに行く」
「社長、山田コースでお願いします」
ドスッ
「何で呼び捨てなんだよ、ぺー」
「う〜だって、山田コース。腹減っちゃったから」

あとがき
「あ〜加藤君、撤収終了したじゃん。今から行くと、5時前に着くんだよ」
「はい!?それが何か?」
「台湾料理屋だから、昼休みのような気がするんだよね」
「はい、それは山田さんに2度ほど言われました。『行っても昼休みでやってねえから、弁当食って釣りした方がいい』って」
「え!?にもかかわらず?」
「はい。ユウリンチってのに、目がくらんじゃって」
「バッカじゃねえの?だったら、釣りしなきゃダメじゃん。やってない可能性の方が大きいんだから」
「社長、そうこうしているうちに着きましたよ。やっぱりやってないですよ。こっからお預けは長いよ」
「ぺーはお預けポーズ」
「この続きをお楽しみに〜」


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