「こんにちわ」 「いらっしゃいませ。エンドゥさんじゃないですか」 「はい。ちょっと時間が取れたんで、寄りました」 「さっきまで栄ちゃんもいましたよ」 「早川さんとは週末ずっと一緒でした」 「いい釣りできたようで、なによりでしたね」 「はい。で、勢いのまま、キャスティングです」 「なるほど。あとから部長も来ますから、一緒にどうですか?」 「はい、頑張ります」 「今日はわっしょい野郎も来ませんから」 「あ、須田さんですか」 「はい、本名わっしょい山田は明日来るそうです」 「わっしょいですか、いいですね。あれ!?キャスティングは?」 「はい、今月分は打ち止めです」 「あはははははは。先月は金井君にやられちゃったんで、今月はいけそうです」 「そうですね。ただ、夜は厳しいですよ。ねえ、部長」 「いえ。練習してきましたから、完璧です」 「あそう。じゃあ行ってみる?」
「うわ〜。昼間とは全然違いますね」
「あれ!?立っていきますか?」 「はい。じゃあ行きます」 「どうぞ〜」 「見えない…」 「はい、キャスティングプラグでは無理かと思います」 「この辺ですか?」 「もうちょっとですね」 「お!」 「惜しい。だんだん近づいてきた」 「あ〜」 「お疲れ様でした〜。バケツのふちにあたりましたけどね。残念でした」 「はい、じゃあ部長」
「夜光塗料塗って来ました」
「全然光ってねえけど」 「ライトが足りませんか」 「いやいや塗りが薄いんだよ。ではどうぞ」 「行きます」 「全然足りません」 「まだまだ」 「飛び過ぎです」 「全く見えない」 「まあ勘で」 「う〜」 「あ〜」 「あ〜」 「ご苦労様でした。また来月来てください。夜光塗料いっぱい塗って」
あとがき |