「ミナサン、ごきげんよう」
「何ですか?いきなり。しかもノッケから。『ヤナギ、頼むぞ!』って、社長から言われてるのに」
「今年もこの日がやってまいりました。ミナサン、こんにちは」
「アレ〜無視〜!山田さぁん、長いですよシャベリ」
「ウォッホッホッホッ、須田です。改めまして、ミナサン、ごきげんよう。そしてこんにちは」
「あぁーまだなわけ。ハイハイ、コンニチハ」
「返事は1回でね、義弟よ。さて、早いですねミナサン1年は」
「ハイ、早い、早い。で?」
「今年は記念となる10回目ですね、ミナサン」
「あっ!それは正解。社長がボケて去年言ってた」
「記念なので、盛大に!って、大下さんからも言われてますから」
「そうなの!?聞いて無いんだけど」
「そりゃそうですよ。山田さんは単なる乱入者ですから」
「『隊長はヤナギと、コソコソ改めドウドウ金井だ』って社長がボケずに言ってましたから」
「ウォッホッホッホッ、イイね!『ドウドウ金井君』」
「だからぁ、もう邪魔しないの!え〜記念ではありますが、何ら変わりはありません。会費は2000円で、お楽しみの給食と狂会キャップ。そして一部を義捐金に、ですよ」
「あ〜、マイッタコォ〜ルとライフジャケットもね。ミナサンお忘れなく」
「オォ、今年はしっかり言えたじゃないですかぁ、山田さぁん。変だけど」
「あ〜もうひとつ。しおりもね、大事だから、忘れずにね」
「サスガ。流れ石、山田さん。気付きましたねぇ。そして今年もスペシャルゲストの方々にご足労頂きましたぁ〜!ダグワークスの川島さん」
パチパチパチ〜
「イヨー!身長10cm売ってくれ〜」
「社長、無理ですよ」
「パーマネントヴァケーションの松田さん」
パチパチパチ〜
「イヨー!クールなベースマン、オレもやりて〜」
「社長の指では、三味線ですね」
「バスカヴィルの杉森さん」
パチパチパチ〜
「イヨー!フルマラソンもイケる、そのスタミナ分けてくれ〜」
「社長は十分ありますよ」
「そして、バドアンドジョーイ藤田さん」
パチパチパチ〜
「イヨー!重鎮。カリスマ。御大、めでたく還暦!」
「社長もすぐですよ、還暦が」
「………」
「ククククク。ハイ、で、困り事は雑用隊長の社長まで、ドシドシ言って下さい」
「ミナサン、ケガ無く、事故無く、元気良く、楽しくまいりましょう」
「おはよう、柳澤君」
「あ、早かったですね。おはようございます。御大、ごぶさたしてます」
「年に1回だからね。今日は優勝を狙っているから。ね、西牧の旦那」
「ごぶさたしております」
「大丈夫なの?ガイドの方は。全然釣りしてないけどって聞いてるけど」
「ええ。まあ。その辺はセンスでカバーしますから、任せてください」
「社長、既に3艇出ているんですけど…」
「えっ!真っ暗だよ。どの車?」
「これとあれとそれです」
「は〜。1台はカヤックだな。あっちの都内ナンバーは先週もいたね。来週は釣り大会があるから、やめた方がいいですよって言っておいたのに」
「それで早く来たんですか」
「かな。早いたって早すぎるよ。真っ暗だもんな。危ないよな。じゃあこっちも始めるかい?」
「そうしますか」
第一部 水面狂会杯
準備篇
午前5時20分、集合。
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「はい、出船順のくじ引きしま〜す。強運はだれかな〜。金井さん、用意はいいですか?」
午前6時00分、大会開始。
1番、大下さん、荒井さん組。 |
2番、稲村さん、松田さん、ワイパー矢嶋組。 |
3番、旦那西牧、藤田御大組。 |
4番、ミート君、山田君組。 |
5番、関根さん、まる公荒井さん組。 |
6番、飯塚さん、ヤナギ組。 |
7番、ドウドウ金井さん、フミ斉藤さん組。 |
8番、倉持さん、松田さん組。 |
9番、杉森さん、野口さん組。 |
10番、部長、矢島兄ぃ組。 |
11番、内海さん、古宮先輩組。 |
12番、ペーヨン、矢野君、笠原君組。 |
13番、井野君、真空佐藤さん組。 |
14番、箭竹さん、川島さん組。
|
15番、エドウィン新井さん、エンドゥ〜さん組。 |
16番、うすっぺら白井さん、早川さん組。 |
「ペラ男君、最後の出船なんだ?」
「は〜い。最後に残ったくじ貰ったら、最下位でした」
「暑いっしょ?」
「はい、朝の寒さが嘘みたいです。汗だくですよ」
「だよね。終わりの方はつらいんだよ。全員の船を手伝わなきゃならないから」
「はい〜。川島さんなんか、もう手がしびれてるって言ってました」
「だろうね。普段こんなことは、やらないだろうからね」
「オレもやばいっすよ」
「何で?」
「何でって…社長。ヘロヘロですよ。もう」
「そういやあ、栄ちゃんなんか、凄い無口になっちゃったよ」
「はっきり言ってもう無理です。社長の船に乗ったときみたいです」
「いやいやいや。それはキャスティングだろ。今日のは肉体労働ね。一流営業マンにはツライね」
「新井さんとか箭竹さんは平気なんですかね?」
「平気…じゃないだろう。どうなの?新井さん」
「手袋破けちゃったよ。朝もらったヤツ」
「おっと。栄ちゃん、クレーム来たよ」
「いやあ、この過酷の労働ではいたしかないかなと」
「だってよ。予備があるから、それやるよ」
「そう。悪いね。2、3個頂戴よ」
「おう、順番来たよ。ペラ男君」
「やっとですね。誰もいなくなっちゃって淋しいですよ。朝あんなにいたのに」
「おいおいおい。俺なんかもっと淋しいよ。昼間まで」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。そうでした」
「じゃあ、いってらっしゃい」
「よ〜う。ペラ男君、もう戻って来ちゃったの?」
「は〜い、上れないんで下りてきました」
「釣れた?」
「いえ。ノーバイです」
「栄ちゃんは?」
「修行中です」
「今日もですか。大変だね、みんな」
「他の人はどうなんですかね?」
「ダメみたいね」
「もう一流し行ってきます」
「あれ、倉持さん。早いですね」
「はい。諦めました」
「暑いしね、相当厳しかったみたいですね」
「はい、かなり。期待していたんですけど、残念です」
「あ〜。みんなもそうみたいですよ。続々と帰ってきますよ」
「渋滞しちゃいますね、ここ」
「こんなにいっぺんに帰ってくるとは思わなかった。人がいっぱいいるんで、船に積んだまま運んじゃいましょう」
ワッセワッセ。ヨイショヨイショ。
「全員来たかな?柳澤君」
「はい。全員無事帰着です」
「じゃあメシにすっか。腹減ったよ」
給食タイム篇
|
「社長、給食なんですけど、何か仕掛けはありますか?」
「あるよ。みなさん、せーので開けるから、まだ食べないでください」
「いやいやいや、社長。透明なフタで中身が丸見えですけど」
「そう、丸見え。でも、ちょっと見にはわからない。みんな行き渡ったかな?」
「お〜い」
「は〜い」
「じゃあ、開けてください。で、よ〜く見ると、おかずが足りない人がいます」
「…」
「あ!オレのは鮭がない」
「おめでとうございます。杉森さん。お弁当で大アタリ賞はこれです」
|
「ありがとうございます。買おうと思っていた日用品いっぱいで嬉しいです」
「他にも奥さんが喜ばれそうなものが入ってますから、楽しみにしてください」
|
「じゃあ、オレらもメシ食うべ」
「1個しかないですけど」
「そんなはずねえよ。40個頼んだんだから。どっかにあんだろ」
「いや、ないですよ。社長、数えました?」
「うんにゃ。数えてはいないけど。お母さん、これで全部ですって言ったから、『はい』って来ちゃったよ」
「困りますね。雑用隊長がこれでは…」
「オレ達、メシ抜き?」
「そうなりますか」
「誰の分がないんだい?」
「自分と金井さんとぺー、社長は当然ですね」
「ワイパーは?」
「1個だけあるんですよ」
「じゃあ、家から持ってきたパンとおにぎりがあるから。ワイパーの弁当のおかずをつまみながら、食おう」
「アヒャヒャヒャヒャ。矢嶋君はご飯だけですか?」
「あ、大丈夫です。自分もおにぎりが大量に残っているんで、みんなで食べましょう」
「ぺーはこれか?アンパン」
「はい。2個食います。金井さんは?」
「そっちのパンプキンパイみたいなヤツ食べる」
「じゃあ、オレとヤナギでおにぎり全部食べちゃおう」
「ちょっと淋しいですね」
「いや、かなり淋しいよ。くじに参加もできてないし」
「まさかね。足りないとは」
「ほんとだよ。帰りに苦情か」
「いや。食べたあとじゃあ、遅いでしょ」
「それもそうだ。すまんね、代わりにこれをメシにしてくれよ。4人分あるから」
「あ、チーズガーデンのチーズケーキじゃないですか」
「メシにしては重いですよね?」
「金井君、持って帰って、2人でいちゃいちゃ食ってくれよ」
「社長、金井さんの分はオレが持って帰りますから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」
「食べながら、富くじを選んでくださいな」
「くじ引きの方法を変えたの?」
「でへへへへ」
|
「大吉?」
「そう。外れくじなし」
「凄ぇ〜大吉祭りだ」
|
「みなさ〜ん、盛り上がってますかぁ〜?」
「お〜」
「大いに結構です。ここで、遠路はるばるからお越しの藤田御大に、プレゼントがあります」
「ナニナニ、社長?」
「御大、焦らないでください。喜んで頂ける品と確信していますので」
「あそう。ちょっと怖いね。前が前だからね…」
「いえいえ。今度の品は家宝になりますから。では、まず、10回もご足労頂きましてありがとうございます。水面狂会一堂より、感謝状です」
|
「はい、これです。ありがとうございます」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」
「心のこもった小さな小さな感謝状だね」
|
「ですね。続いて、御大めでたく還暦ということで、こちらでございます。赤いダウンベスト」
|
「お、いいじゃない。サイズもぴったりだよ」
「でしょ。コロンビアのお店に行ったら、
店員さんに御大そっくりな体型の人がいて」
「そんな人いたの?」
「ええ。体型がですよ。で、頼みがあるんだけど、 モデルやってくれとお願いしたわけですよ」
「な〜るほど。それでぴったりなんだ。嬉しいな〜。 これからの時期、ちょうどいいよ」
「でしょ。まだありますから。
いよいよ、家宝の出番です。
スペシャルプレゼンターは山田君です」
「山田さん、どうぞ!」
「あ〜藤田さん、長きに亘りありがとうございます。
また還暦を迎えられたとのことでめでたいですね。
ウォッホッホッホッホ」
「ウォッホッホッホッホじゃないよ。
君が出てきたってことは嫌な予感がするよ」
|
「これです。BJレッド・タイガーマスクです」
「ヤ・マ・ダ!やっぱりそうか」
「御大、そうおっしゃらず、是非かぶってください」
「まあ、社長に言われちゃあ、しょうがないな」
「お、いいじゃないですか」
「ウォッホッホッホッホ。お似合いですよ、藤田さん」
「ヤ・マ・ダ!貴様、覚えてろよ」
「いや〜盛り上がりましたね〜御大ならではですね。
みなさん盛大な拍手〜」
パチパチパチパチ〜
|
表彰式篇
「柳澤君、だいぶ厳しかったみたいだね?」
「ええ。ほとんどの人がノーバイですよ」
「何人釣れたんだい?」
「2人は確認してます」
「なんだって!?ということは」
「ええ、可能性がありますよ、社長」
「では、みなさ〜ん、表彰式の始まりで〜す。こんな厳しい中、釣ってきた人がいました」
パチパチパチパチ〜
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「今回の勝者は、関根さんです。
サイズは、34cm」
パチパチパチパチ
「勝利者インタビューはないの?ヤナギ」
「え、時間の都合で。じゃあ、ウィニングルアーだけ教えてください」
「へドンのマグナムタイガーで釣りました」
「おめでとうございます」
|
「2位は1cmに泣いた矢島兄ぃ。33cmです」
「く〜。1cmかぁ…魚持ってぶん回せばよかった」
「ルアーは?」
「はい、ミロのダブルスイッシャーです。社長の秘策を真似してみました」
「そうですね。人が釣れないときに釣るという社長は、
変なことばっかりしてますから、うってつけの策ですね。
おめでとうございますっていうか1cmは残念ですね」
「いえ、充分です」
「謙虚な兄ぃに拍手〜」
パチパチパチパチ
「以上、表彰式でした。続いて」
「おいおいおい、オレは?」
「2人しか釣ってないと思って、3位以下の賞品はばらして、くじ引きの方に回しました」
「マジで…あのさ、僅か30mの間を行ったり来たりしてやっと釣った1匹なんだよ。
ある意味オレが優勝だろうと言っても過言ではないだろう。どうだね?」
「はいはい。小さいのを釣らしたら、狂会随一ですね。
みなさ〜ん、社長が15cm釣りました。
モペットだそうです」
|
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。
社長らしいですね」 |
皆さんお待ちかねの抽選会篇
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「ノーフィッシュ軍団のみなさん、お待たせしました。もちろん釣った方もですが。いつも通り、御大が番号を引きますから、配ってあるしおりの番号の景品が本日の賞品です。
強運は誰かな。最後に引かれた人が本日の栄えある敗者です」
1番くじは関根さん。 |
2番くじはオレ、ヤナギ。 |
3番くじはガオガオ宇佐美さん。代理はパーマネントバケーションの松田さん |
4番くじはエドウィン新井さん。 |
5番くじは西牧さん。 |
6番くじは飯塚さん。 |
7番くじは真空佐藤さん。 |
8番くじはミート相沢さん。 |
9番くじは松田さん。 |
10番くじはソレガシさん。代理は社長で。 |
11番くじはワイパー矢嶋君。 |
12番くじは荒井さん。 |
13番くじはまる公荒井さん。 |
14番くじは杉森さん。 |
15番くじは笠原君。 |
16番くじは早川さん。 |
17番くじは稲村さん。 |
18番くじは倉持さん。 |
19番くじは内海さん。 |
20番くじはフミ斉藤さん。 |
21番くじは古宮先輩。代理は箭竹さん。 |
22番くじはエンドゥ〜さん。 |
23番くじは箭竹さん。 |
24番くじは井野さん。 |
25番くじはドウドウ金井さん。 |
「残るは12人。何か身内が多くね?大下さん」
「まあ全員身内ですよ、社長」
「そうなんだけどさ。そういう意味じゃなくて、主催者系というか下働き系とい意味だよ」
「確かに。過去の歴代の敗者が揃ってるし」
「だよね。矢野君だって、勝者でありながら去年は危うく敗者」
「さて。どうなりますかね」
26番くじは大下さん。「あ〜脱落」 |
27番くじは野口さん。「自分もです。でも良かったです。五代目なんで」 |
28番くじは部長。「それを言ったら、部長もだよね」 |
29番くじは加藤ペーヨン。「敗者の竿欲しかった〜」 |
30番くじは社長。「あ〜あ、呼ばれちゃった。しおりが30番で、呼ばれたのが30番。偶然なんだけどね」 |
31番くじは御大藤田さん。「よかった。ありがとう。大下君引いてくれて」「ちぇっ。つまんないの」 |
32番くじは矢島兄ぃ。「危なかったです。2位の賞品で充分です」 |
33番くじは矢野君。「今年もぎりぎりっすよ」「釣りもスノーボードもいかねえからだよ」 |
34番くじはパーマネントバケーションの松田さん。「良かった…」 |
35番くじはうすっぺらい白井さん。「あ、残念だな」「ほんとに残念」 |
「残るは2人だよ、大下さん」
「そうなんですよ。ナント山田君がまだ残ってるんですよ」
「凄ぇ!連覇?」
「ですよ。ここまで来たら、山田君か?」
「あ〜そうだね。川島君、かなり顔がひきつってるもの」
36番くじは川島君。 「良かった。ほんと良かった」 「そうだね。キャラクター的に」 |
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「みなさ〜ん、ご覧のとおり、栄えある敗者は山田君に決定です」
パチパチパチパチパチ〜
「しかも、去年に引き続き、連覇という快挙」
「ええ、自分でもびっくりですよ。ありがとうございま〜す」
「耐えがたきを耐えた千何百日のプー生活、見事」
「プーには見えないけどね」
「そう言う話は、ここでしなくてもいいじゃないですか」
「社長、背中に6代目に引き続き、7代目山田君って書いてください。
永世敗者も入れたらどうですか」
「黙れ!ぺー」
|
「すみません。後だしになってしまいました」
「お〜。じゃあ、杉森さんと川島君の大抽選会しよう」
「あ、これもお願いします」
「大吉も。いいねえ」
「じゃあ、さくさくと」
「これじゃあ談合したみたいじゃん」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」
|
第二部 キャスティング大会
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「今回は的までの距離は9mです。入りそうですね。皆さん。
練習2投。本番は3投して数多く入れた人が勝ち。は去年と同じです」
「社長、何で9mにしたんですか?」
「クレームがあったんだよ。遠いって」
「え〜!?近過ぎないですか?」
「近いよ。オレが決めたのは12mだから」
「それもどうかと思いますね」
「で、仕方なしに去年までは10m」
「ベストでしたよね」
「まあ誰かとは言わないけど、わかるだろ。クレーマーは」
「ええ。わかりますよ。王様ですよね」
「そう。王様。何の王様だかね。まあ頑張ってよ。柳澤君」
「ええ。社長も。左でお願いしますよ」
「いや。右で勝ちにいく」
予選中
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「1投入れた方は11人。箭竹さん、俺ヤナギ。部長、矢島兄ぃ、関根さん、まる公荒井さん、エンドゥ〜さん、真空佐藤さん、稲村さん、金井さん、社長。早速本戦をやります」 |
「本戦を勝ち残ったのは、 エンドゥ〜さん、金井さん、社長です。
3人で決勝戦やりま〜す」
「今日のミミはのってますよ、社長。練習の2投、どっちも入れましたから」
「まったくな。釣りもいってないのにな。元々一番うまいしな。強敵だね」
「社長は左ですか?」
「ヤナギも言ってたよ、左でやれって。でも今日は勝ちに行くから、右でいく」
「じゃあ、ダメですね。力みまくりで」
「社長、ミミ本番で2発入れましたよ」
「凄ぇ。エンドゥ〜さんは?」
「ダメだったですね。プレッシャーですかね」
「まあ〜なるよね。プレッシャーには」
「社長、一人ですけどいいですか?みんな見てますけど」
「任せなよ。3発入れちゃうから」
|
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「キャスティング王は、ドウドウ金井さん」
「練習も併せて、トータルで6回も入れるとは。凄え」
「社長は予想通りでしたね」
「何が、ヤナギ。1発入れたろ」
「いえいえいえいえ。左でやれば3発いけたかも」
「悔しいね。でも相手が金井君じゃあ、それもしょうがない。
去年のまる公に比べりゃあ全然気が楽だよ」
「淋しい言い訳ですね」
「言い訳ってそんなもんだろ」
|
記念撮影篇
|
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「最後に記念撮影しま〜す。
御大はBJレッドタイガーに変身してください」
「え〜!そうなの?社長」
「当然じゃないですか。みんなのお祝いですから。記念ですよ」
「ぶつぶつぶつ !ヤマダ!何しれっとしてんの。ガウンと帽子は?」
「え!」
「え!じゃないよ。正装して僕の隣に来るの!」 |
〆篇
♪ピーヒョロヒョロロ♪
「今年も無事終了で〜す。みなさんのご協力に感謝しま〜す。
最後になりましたが、毎年遠方よりお越し願っています、藤田御大。川島さん、杉森さん、松田さん、さらに景品提供のワイルドダンサーの若林さんに盛大な拍手〜」
パチパチパチパチ〜
「じゃあみなさん、気をつけてお帰りくださ〜い。無事、記念大会もこれにて終了で〜す。来年は1回お休みです。シーズンはこれからですから、残りを大いに楽しんでください」 |
おまけ篇
勝者の証と敗者の証。
「社長、勝者の証と敗者の証を並べると差が良くわかりますね」
「そうなんだよ。ぱっと見だと良くできてるように見える。でも、良く見ると…いいだろ」
「ええ、同じレインボーでも、勝者は24金箔仕上げ、敗者はただの金色でしかもマジックペン仕上げ。最高ですよ」
「やっぱ、旦那の鯉のぼりは見事だよ」
「そうですね。最後のせいか、ずいぶん気合を入れて全部やってくれたんですね」
「チッチッチッチ!ヤナギ、違うよ。金箔貼ったのはオレだし、ハンドル塗ったのは大下さんだよ」
「え!じゃあ旦那がやったのは、鯉のぼりと巻き?」
「そうだよ。ここまでやったから頼むよって、お願いしたわけ」
「あ〜だいたいわかりますよ。『そこまで言うんじゃあ、仕方ないですよね〜』的な」
「それ。王様だからね」
|
勝者の証と敗者の証その2。
「社長、勝者の証は格好いいですね」
「だろ。大下さんの見立てだから。今年は刺繍と思わせぶりなメッセージが印刷されてるんだよ」
「参加賞の方もしみじみと見ないと、差がわからないから格好いいですよ」
「これも大下さんの見立てだから」
「それに引き換え、この敗者帽子、ヒドイですね」
「おいおい、去年も一緒だよ」
「山田君、ペアで2セット。素晴らしい」
|
参加賞
「これまた力作ですよね、社長」
「今年もね、栄ちゃんが探してくれたんだよ
『最後なんで立派なヤツにしましょう』って」
「これはいいですよ。革とメッシュですから。仕事でも使えるし」
「そう!余分にあるから持ってく?」
「是非。オレンジにみどりの印刷が栄えますよ」
|
あとがき
「終わりましたね、下働きのみなさん」
「いや〜いろいろあったけど、良かったんじゃねえの。ねえ金井君」
「はい。弁当がなかったのは、びっくりしましたけど」
「全くだよな。みんなは全然気づいてなかったみたいだけど」
「その辺は下働きの宿命ですよね」
「かもね。これで一区切り。充電だね、ヤナギ」
「いやぁ〜御大も言ってましたよ『次は社長が還暦だから、覚えてろよ、ヤマダ!』って。3年後ってことですかね?次は」
「そうね。タイミングとしては。何かないとやりにくいでしょ」
「いやいや。折角盛り上がったんだから、前祝いということで」
「え!来年?」
「いいんじゃないですか?」
「まあ選択肢としては、ないわけじゃあないけど。やんねえだろ?大下さん」
「やんねえ。最後だからって、ビルダーみんなさんにも無理をお願いしたわけだから。1年は休む」
「そうだよ。しおりにも書いてあったろ。充電って」
「いやあ、あれは思わせぶりですよ」
「思わせぶりは山田君が言っただけで、オレじゃないから」
「そうですか。じゃあ、みんなでじっくり充電しますか」
「うん。シーズン真っ只中だからね」
「にしちゃあ、厳しかったですよ。今日は」
「みたいね。台風に一番いいときをやられちゃったから」
「そうなんすよ。台風行ったら、川も終わったって感じになってますよ」
「雨男が多過ぎたんだよね。オレ、栄ちゃん、ペラ男。どうしょうもないね」
「ほんとですよ。次は3人とも陸っぱりですね。別の日に」
「おいおい、追放かよ」
「あ、晴れ男のソレガシがいなかったからですよ」
「そう。腰痛でうなってるってよ」
「あ〜それでミート君が提供してくれたビール、みんなあげちゃったんですね」
「そう。回復前祝い」
「なるほど。悪化しますね」
「大丈夫だよ。ルアーもいっぱいあるから」
「あははははははは。ルアー見て、他の景品見て喜んで、またビール飲んじゃいますよ」
「大丈夫。飲んでる間は痛いの忘れちゃうから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。完全に悪化しますね」
「どうもね〜腰痛というのはトキが治してくれるらしいよ。飲んでじっくり休む。完璧だよ」
「社長もやってましたよね。ぎっくり腰」
「オレのはぎっくりだから。でももう6、7年やってないよ」
「努力の賜物ですか」
「そうです。すべてはそこです。やれって言っても、みんなやらないから」
「普通の人はやらないですよ」
「そんなことはないよ。柔軟体操だよ。継続が力だよ」
「まあそうですね。で、ぼちぼち帰りましょうよ」
「お!お疲れ〜、下働き軍団」
「お疲れ様でした〜」
追伸
「社長、行ってきてくれました?義援金」
「すまん。まだ行ってない。至急行ってくるから」
「ダメですよ。板なんか買っちゃあ」
「そんなに残ってねえよ」
「大丈夫ですよ。冗談ですから。社長が足しているのをみんな知ってますから」
「ちょっとね」
「じゃあお願いしますよ」
「柳澤君、行ってきたよ」
「あ、義援金ですか」
「それ。通信欄に『ブラックバス釣り大会で有志一同より。ブラックバスは害魚ではありません』って書いてやったよ」
「マジですか。事実ですからね」
「でも、結局消したんだよ」
「消すことないでしょ」
「まあ、丸く行こうかと」
「らしくないですね」
「そうなんだよ。ちょっと後悔してるんだよ」
「じゃあ、次回で」
「そうだね。3年後?」
「いやぁ〜もっと早くなるんじゃないですかね」
「まあ、その辺は任せるよ。オレは警備員だし」
「あははははは。次回もですよ」
「いいんだけどさ。陸っぱりにハンデくれよ」
「いやいや。2回も釣ってるんですから、あげられません」
「やっぱダメか。今から秘策でも練るか」
「今から考えてたら、訳わかんなくなっちゃいますよ。では、みなさん次回をお楽しみに〜」
|