下見その5 in 鬼牧川(2013.10.07)

「ご苦労様です。加藤ペーヨンでございます」
「な〜んだ。ぺーか」
「いえ、ペーヨンでございます」
「はい。何ですか?ペーヨンさん」
「え〜っと7日、オレもいけますよ」
「お〜嬉しいね。加藤ペーヨンジュンさん」
「何ですか、急に」
「いやいや。また山田君と2人きりは淋しいね、と話していた矢先だよ」
「じゃあ良かったです。時間はいつも通りですか?」
「正解」
「うぉおっほっほっほ、ぺーですか」
「いえ、正確には『加藤ペーヨンジュン』って言ってたよ」
「生意気な!と言っても、社長が付けたんですよね。そのように」
「実はね。ぺーだけじゃ可哀相だろうってなった気がする」
「いいんじゃないですか。ぺーでぺーぺーだし」
「そう。その辺はぺーぺーの身分はわきまえてて、フットワークが軽いよ」
「当然ですね。うぉっほっほっほっほっほ」
「あのさ、これ、痛烈な皮肉なんだけど」
「うぉっほっほっほっほ。ぺーにですか?」
「あ、もういいです」
「でわ、いつも通り参りますので」
「了〜解」

本日の登場人物

ぺー。「すみません。やっぱり行けなくなりました」「え〜!淋しいね」

山田君。「2人だって」「ドタキャンですか」「いや、ドタキャンではないよ。数日前」

私。「状況も良くなってることだし、楽しみだね」「ええ。来週は親睦会ですから」「そうなの」

「ご苦労様です。加藤ペーヨンでございます」
「何だよ、うるせえな」
「うるさついでに吉報です。やっぱり行けることになりました」
「ホント?」
「本当です。今すぐ行きます」
「あ、何?もう向かってるわけ?」
「ドタキャンならぬドタリサーブ?」
「アヒャヒャヒャヒャ。モナリザみたいで素敵です」
「社長、こんなバカチンほっといて、行きましょう」

「何だよ、着いたら雨だよ」
「社長の雨男ぶりは健在ですね、山田先輩」
ボフッ
「う〜。朝からいきなり。さっきまで寝てたくせに」
「だまれ!ぺー。寝てたから、元気なんだよ」
「雨、大したことないですよ。3人で船は運んじゃいましょう」
「そう。じゃあ、ビュンビュン行くか」
「そうしましょう」

「止みましたね、雨」
「どうせなら、下ろしている最中に、止んでくれればいいのにね」
「社長、釣れちゃいますよ」
「だといいけど。今日はちょろっと下りてみよう」
「お!いいですね。来週に備えて。な〜、ぺー」
「はい。自分は来週操船なんで、いろいろ見ておかないと」
「じゃあ、ずっと見とけよ。投げないで」
「そんな…山田先輩」
バシッ!
「痛たたたたたたいやき」
「…無視だね」
「そんな…社長がいつもこんなのやってるじゃないですか」
「先に言われちゃったんで、悔しかったんだよ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。レベル低」
「お!出た。のってるし。早々に」



「サイズ的には32cmと無難なところで」
「社長、幸先いいじゃないですか。ルアーはまたしてもモペットですか?」
「そう。下りはペンシル祭り」

「暑くなってきましたね。朝の雨が嘘みたいですよ」
「全くだね。どんどん脱いじゃおう。夏だよ夏」
「あ!船が2艇上がってきますよ」
「あ〜さっき下ろしていた人たちだね。元気良く挨拶してくれた」
「すみませ〜ん。上流行ちゃっていいですか?」
「全然、かまわないですよ。遠慮なくどうぞ」
「ありがとうございます。どうですか?調子は」
「はい、1匹釣れました」
「流石ですね」
「いや〜照れるな。ぺー」
「いいんじゃないですか。えっへんとか言っちゃたら、ねえ、山田先輩」
ドスッ
「う〜うし」
「オレはそんなこと言わないよ、ぺー」
「そうでしたっけ?」
「言わね。そんなことよりも、いつぞやのおめえのヒットポイントだよ」
「あ、ほんとだ。ここは先輩に譲りますよ。どうぞ」
「いいの?釣っちゃうよ」
ピューン。チャポ。クネクネクネ
「流石、山田君。完璧。でも、出ねえなありゃあ」
「あれ?ほんとだ。反応がない」
「もうちょい上の方がいいんじゃない。ぺーやってみ」
「はい」
ヘロ〜ン。ポチャ。ジョロジョロジょロ
「そこでいいのかよ」
「来た!よっしゃ」
「おいおい。枝じゃねえの」
「よっしゃ!」
「あれ!?バスだ。おいおいそんなに巻くなよ」
「よっしゃ!」
「はい、すくったよ。ルアーの上はすぐトップガイドだよ。巻き過ぎ」
「何やってんの。ぺー。糸出さないと、竿折れるよ」




「良かった〜釣れて」
「微妙な感じだね、あれは。しかもサイズは
32cmとオレのと同寸。どうすんだよ?」
「まだ始まったばっかりですから」
「そりゃあそうだ」

「社長、眠くないですか?」
「特には。寝る?」
「ええ。寝ましょう」
「先輩、車の中であんなに寝てたのにまだ寝るんですか?」
「そう。寝る子は育つ。君も寝なさい」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。もう無理だと思いますけど」
「2人はいいよね。でかいから。オレは成長するなら、成長したいよ」
「いえ、社長の場合は衰える一方だと思います」
「言ったな、ぺー」
「いえ、一般的な話ですよ。例えば、うちのオヤジ」
「あ〜先輩。オレの1つ上だっけ?」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。そうです。社長の1つ上です。凄い差ですから」
「じゃあ、寝るか」

「あれ!?金井君から電話ですよ。え!?ふうちゃん、そういうこと言うんじゃない。あそ、じゃあ楽しんでくれよ。近くにいいホテルあるから。キング」
「何だって?」
「2人で買い物だそうですよ。いいラブホがあるんで、薦めておきました。うぉっほっほっほっほ」
「ラブホか行ってね〜な。あれ!?何モジモジしてんだよ。ぺー」
「社長、寝て起きて、金井と彼女の話をしてたら、股間が元気になっちゃったんですよ。今から金井君にメールしておきますよ」
「やめてください。先輩」
「うぉっほっほっほっほ。はい、送信完了」
ピロローン♪
「お!もう返事が来たぜ。見てみろよ、ぺー」
「金井さんじゃないです。彼女の方です。LINEで来ました」
「何だって?」
「これです」
「なになに。うぉっほっほっほっほ『キンキン?』ですって、社長」
「やるな。金井君の彼女。ペー返信してやれ。『違う。ギンギンだ』って」

「全くアタリがなくなっちゃったね」
「ですね。時間も時間だし。あがりますか?」
「いいの?山田君、敗者だよ」
「ええ。そういうこともあります」
「しかも同寸ですから、2人にメシおごるわけですね。アヒャヒャヒャヒャ」
「黙れ!ぺー。おめえには奢らねえ」
「じゃあ、写真判定すっか。あとで」
「お!そりゃあいいですね。では、サブですね」
「はい。お疲れ様」

あとがき
「山田さん、着きましたよ」
「社長、ずっと起きてましたよ」
「アヒャヒャヒャヒャ。嘘バッカ。オレ写真撮りましたよ。寝てるとこ」
「黙れ、ぺー。ちょっとだけだろ」
「あんなこと言ってます、社長」
「いいんじゃねえの。いつものことだから。寝ててくださいって言うと起きてる」
「うぉっほっほっほっほ」
「全然大丈夫ですよとか言ってると、10分後には爆睡なんだよね」
「うぉっほっほっほっほ」
「まあ山田君のことはほおっておいて、写真判定しよう」
「う〜ん、同じですね」
「同じだ」
「あれ!?社長のバスは口が半開きですよ。オレのはばっちり閉じてますけど」
「あ、ほんとだ。しょうがねえな、ぺーの勝ちだな、これは」
「先輩、オレが勝者です」
「いつも口が半開きのヤツに、バスの口が半開きなんて言われたくないね」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。それでも勝者です。敗者は山田先輩です。何とかの遠吠えみたいですね」
ドス
「う〜あ〜朝顔」
バキッ
「う〜折れたかもしねない、アバラが…」
「オレはそんなこと言わねえって」
「言ってましたよ…あ〜朝青龍とかって」
「あ、すまん。それは言った。勝者は君だ、許せ」
「じゃあ大盛りで」
「いいよね、山田君」
「ナニィ!」
「今日は大盛り無料の日だよ。2杯食っちゃえよ」
「いや、いくらなんでもそれは無理です。いますかね、山田先輩のお気に入り」
「あ〜赤い手袋?」
「社長、それは死語ですよ」
「アラフィフティ限定?」
「ええ、もしくはシックスティ」
「じゃあ、ぺーは家にいる先輩に聞いてくるように」
「わかりました。ところで、オレ4勝目ですよ」
「あれ!?たまにしか来ないぺーが山田君と同率」
「社長はどうなんですか?」
「オレは5勝」
「お、お、大して変わらないじゃないですか。これからですよ」
「あと5回だね。早いね」
「ええ、早いですよ。あっという間に正月ですよ」
「そうなると、5年目を迎えるね。プー街道」
「ええ。親睦会終わったら、真剣に探しますよ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ」
「あ〜あ、笑われちゃった」
「このままずっと行って欲しいですよね、山田さんには」
「99%の人がそう思ってるよ」
「残りの1%はどんな人ですか?」
「あ〜。本人だよ。じゃあまた来週〜」
「告知です。来週は親睦会で大賑わいです」
「うぉっほっほっほっほ。釣りますよ。そして就職。いい前祝いになりますよ」
「がはははははは」
「社長!」


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