下見その4 in 鬼牧川(2013.09.30)

「こんにちわ。コーヒーなんぞ、いかがですか?」
「だけ?」
「ええ。コーヒーだけですよ。コンビニ行ったら、社長がさっききてお菓子買ってたって聞いたんで、コーヒー買いました」
「は〜。姉ちゃんに言われたの?」
「ええ。タメ口ですよ」
「うぉっほっほっほっほ。いいじゃないですか。親しさの表われだよ」
「ええ。しかも山田君呼ばわりですよ」
「そりゃ結構。オレに聞いてたよ。『本当に山田君なの?』って」
「で、何て答えたんですか?」
「違えよ。本当は秋山だよ」
「社長!困りますね。そういうのは。それはロバートでしょ」
「姉ちゃん、笑ってたよ。『似てる』って」
「うぉっほっほっほっほ。それより、先週はどうだったんですか?」
「おう。そうです。ひどい目にあったよ。濁流、激流、船いっぱい」
「ほう。で?」
「夜明け前から、何艇か川の確認もせず、船下ろしてましたよ」
「マジですか。危ないですね」
「危ないいね。事故がなきゃいいけど」
「で、結局どうなったんですか?」
「そこだね。2人に聞いたわけよ、栄ちゃんに薄いペラ男に『どうする?』って」
「…」
「返事がないから、顔見たら、確信したね『帰る?』」
「ほう。2人は?」
「間髪入れず、『帰りましょう!』ってデュエットしてた」
「うぉっほっほっほっほ。結局何艇いたんですか?」
「オレら含めて10艇だよ、山田君もとい秋山君」
「そりゃあ帰った方がいいですよ」
「でしょ。あの流れでは下りられないし、上流のいいところにみんな溜まっちゃう。しかも濁ってるし」
「そうですか…連絡がないから、変だなとは思ってたんですよ」
「いたずら電話でもしようかと思ったけど、寝ちゃったからさ。なんとも半端な1日でした」
「じゃあ、30日は気合を入れて、気分もあらたにですか?」
「はい。燃え尽きそうだね」

本日の登場人物

山田君。「2週間開いちゃいましたよ」「そりゃ、オレもだよ」

私。「今月はいまだノーバイト」「釣れますよ。今日。私が」

「早すぎちゃったね」
「ええ。ちょっと休憩ですか」
「いい機会だから、Back to the Future見る?」
「見ませんよ。あれ?車が来た」
「ほんとだ。しかも2台」
「おはようございます」
「あれ!?ミート君じゃない」
「ご無沙汰してます。先に行ってください」
「そう、悪いね」

「まさかのミート君、山田君、親睦会に備えて、あっち乗った方がいいんじゃない?」
「うぉっほっほっほっほ。それは当日で」
「お!出た。のった」
「もうですか」



「良かった。9月中に釣れて」
「ルアーはモペットですか?」
「はい。110のチャートです。吸い込みました」
「え〜と、31cmですね」

「じゃあ、山田君、あっちの方撃ってみてよ。モグモグ」
「また食べてるんですか?」
「はい、モグモグ。何か腹空いちゃってさ。モグモグ」
「フン、フン」
「あれ!?竿曲がってるし。おにぎり食べてる場合じゃない」



「はい、山田さんすくえましたよ」
「ありがとうございます。ルアーはコテカです」
「太い割には、ちょっと短いね。35cm。負けてる」
「まだまだですよ。はじまって30分と経ってませんから」

「あ〜全くアタリがなくなっちゃたね」
「メシにすっか。11:30だし」
「いいですね。既に9時頃寝ましたから、ちょうどいいです」
「オレは寝てないけどね」
「あんなにバクバク食べてるからですよ」
「そうでもないよ。おにぎり4つにパン1つだから」
「充分多いと思いますよ」
「あれは朝飯だから。今度はランチ。ど〜れ、今日はうどんです。セブンイレブンのは味が濃いので、ミネラルウォータで薄める。ジャバジャバジャバ」
「そんなにですか」
「年寄りは薄味なんだよ」
「うぉおほっほっほ。還暦間近」
「まだ3年あるよ。あれ!?おかしいな。全然薄味じゃない。化学調味料が多過ぎるんだな」
「あんなに水入れて?」
「だよ。夏仕様だね、味は。いいや、うどんだけ食べよう。ツユは捨てる」
「冷やし中華はそんなことないですよ」
「来週はカップ麺にするよ。さっきの水でウガイでもするか」
グビッ
「あれ!?何だこれ。れれれれ、いろはすみかん味って書いてある」
「う〜ぉっほっほっほっほ。そりゃあ味も濃くなるし、おかしなことになりますよ」
「いや〜まいった。実は2回目なんだよ。オレも学習しないな」
「社長、ぼちぼち行きましょう。オチもついたし」
「了解」

「山田君、ここはオレのいちおしポイントなんで、超低速で行くから」
「わかりました。丹念に行きましょう」
「あれ!?う〜ん、何も起きない。おかしいな。と、思いきや、山田君竿曲がってるじゃないですか?」
「フン、フン、フンフン」
「またかよ。何か言えよ」



「はい、すくいましたよ」
「ありがとうございます。何cmですか?」
「32cm。また負けてる」
「ルアーは大吉ぼろぼろ鯉のぼり」

「たまにアタリはあるものの、さっぱりのらない。困ったね」
「社長、モペットがいいんじゃないですか」
「そうね。さっき1匹ばらしたし。やってみるか」
「いいと思いますよ」
ピューン。ポチャ。ポヨヨン、ポヨヨン。ゴボッ
「お、いきなり出た」
ザブーン
「凄え、ルアー咥えて飛んだ。元気だね」


「の割には、だいぶ小ぶり。あっ!あ〜あ、逃げられちゃった」
「社長、魚が変な向きでしたけど」
「もう遅い。逃げられちゃったし」
「完璧じゃないですか。サイズはともかく、2人とも2匹釣れたし、
時間もちょうどいいじゃないですか」
「そうね。終わり良ければ、すべてよし。撤収。山岡」
「社長、また難しい」
「じゃあ宿題」

あとがき
「お疲れ様でした」
「お疲れでした、山田君。朝いた2艇は帰ちゃったんだね。車がないよ」
「ええ。どうだったんですかね?」
「どう?って、ね〜。どうなんだろう。山田さん、お食事なんぞは?」
「うぉっほっほっほっほ。久々の勝者です。サブでお願いします」
「八郎以来じゃない」
「ええ。そうなんですよ。デコ続きだったり、ぺーにやられたり、社長が3連勝したり」
「あ〜言われてみれば、そんなことも」
「今日は非常に気分がいいので、運転任せてくださいよ」
「いいや。任せられないね。10分と持たないだろうから」
「そんなことはありませんよ」
「じゃあ、コンビニともう1軒寄ったら、替わってくれよ。オレは寝るから」
「任せてくださいよ」

「山田さん、着きましたよ。サブですよ」
「うぉっほっほっほっほ。こりゃ失敬」
「まあ毎度のことですから、どうってことないです。また来週〜」


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