下見その2 in 鬼牧川(2013.09.09)

「ヤベッ!10分寝過ぎた。取り敢えず顔は洗って、ひげを剃る時間はない」
イソ、イソ、イソ、イソ。
「あ、山田さん、おはようございます。危うくワイパーになるところだったよ」
「社長、おはようございます。既にワイパーにはなってますよ」
「え!10分遅れだろ?」
「いやいや。約束の時間より20分以上遅れてますけど」
「あれ!?あ、そっか。こりゃ失敬。何にしても申し訳ない」
「珍しいですね、社長が」
「う〜ん。夕べ珍しく眠れなかったんだよ」
「何か問題でも?」
「いや。そうではないんだけど。いろいろと。オレは関係ないんだよ」
「あそうですか。でも、ワイパーだったら、来ませんから」
「そうね。とにかく急いでいくから」
「じゃあ、ぺーに電話しますよ」
ピロロロロ、ピロロロロ。
「全く出ませんね」
「寝てんじゃないの?ヤナギが運転だろうから。コンビニから柳澤君に電話するよ」

「あ、やっぱり。着いてるね。向こうは。お待たせ。ゴメンね」
「おはようございます。早かったですね」
「先にやってて貰って、良かったのに」
「いやいや。こっちは10フィートですから、3人乗れません。それにまだ夜明け前なんで、全然余裕です」
「良かった。飛ばした甲斐があったよ」

本日の登場人物

ヤナギ。「久しぶりですよ」「だね」

山田君。「先週は濁りで早上がり。今日は釣りますよ」「それ以上って話もあるけど」

ぺー。「本番前の予行練習です」「本番前に果てないでね」

大下さん。「今日は秘策があるんで」「そう。良かったら貰うから」

私。「来週は留守居役なんで、今日はガンガン行くから」「操船ヨロシク!」

「意外に濁ってるね。大下さん」
「はい」
「ときになぜオレが操船なの?2人は来週が本番なのにさ」
「社長は来週お留守居役ですから、今日は存分船を堪能していただこうかと」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。そうですよ」
「言ったな、2人とも。船垂直にしてやる」
「あっ!釣れた」
「おいおい、流木じゃねえの?」
「あ、流木なんだ」
「ち、ち、違いますよ。2人とも。バス、バス、バス。久々のバス」




「おいおい、そんなに巻いちゃダメだよ」
「あ、あ、あ、あ」
「いいよ。そのまますくっちゃうから」
「ありがとうございます」
「立派な割には、短かったね。39cm」
「ルアーはライフベイトのリアシングルスイッシャー」
「まだ撮影してるの?」
「はい、久々なんで、いろんな人に送ろうかと」
「いきなり釣れて、出だし快調って感じですか?」
「それも、8時までだよ、大下さん」
「マ〜ジですか」
「そう。よって、譲らない。全部撃つ」

「あっちはどうしてるかね?」
「オレ電話してみますよ。柳澤さんに」
「当然だね。釣ったんだから。俺たち2人にはそんな余裕はない」
「もしもし〜。どうですか?え、あ〜山田さん1バラシ。しかもでかい。で?柳澤さんは釣った。あ、これですか」


「29cm。これからだよ。加藤ちゃん」
「あ、オレは39釣りましたから」
「ナニィ!?ぺーが…」
「ほら〜山田さん怒っちゃった。火が付いちゃったよ」
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。頑張って釣ってくださ〜い」


「あ〜あ、8時過ぎちゃったよ。さっぱりになちゃったね」
「というか、アタリはぺーの1回だけですよ」
「あ。言われてみれば、そのとおり。寝る?」
「そうっすね。じゃあ、あそこの日陰で」
「わかってないな。この時期は日向で寝ないとダメなのよ。日陰は寒くて寝られないよ」
「日向で寝るのは、社長だけですよ。日陰にしてくださいよ」
「言ったな。知らねえぞ。オレだけは日向になるように、船を止めるよ」

「寒!気が付けば、いつのまにか日陰になってる」
「社長。オレ全然眠れません」
「何で?そんなウィンドブレーカまで着てて」
「メチャメチャ、寒いです」
「だから言ったろ。あっち移動するから」



「んだよ。カミさんから電話だよ。え?釣れてるかって?
全然だよ。じゃあね。あ〜あ目覚めちゃったし。
で、2人は爆睡。いいな…」

「う〜おかげで良く眠れました」
「良かったね。そりゃあ。じゃあメシでも食って、午後の部、行きますか」
「お、いいすね」


「午後の部、開始。開始宣言したら、これだよ」
「一段と濁りが増した感じですか」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。先週よりはいいですよ」
「あ〜。ね、釣ちゃったからね」
「はい。結構気分いいです」

「あ、山田さんから電話ですよ」
「寝たんじゃないんだ」
「寝て起きたそうです。釣りを始めたら、凄いのが釣れたって言ってます」
「でかいの?」



「これですって。アヒャヒャヒャヒャヒャ」
「ギル?」
「ルアーじゃないですか?」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ。生バスだと言ってます。計測不能だそうです」
「それでもいい。釣れれば。いまだノーバイ。行くぞ!」

「だいぶ様子が変わってるね。去年とは」
「オレ良くわかないっす」
「いいんだよ。ぺーは。わからなくても。ねえ、大下さん」
「オレもわかないっす」
「え!?何で?」
「久々なんで。こっちの方に来たの」
「そう。責任重大だな。じゃあ、おすすめのポイントとその周辺を丹念に撃って、あいだは飛ばすから」
「お任せします」

「よっしゃ〜。あと50mのところで来たよ。のってるしね〜」
「ほれ。ぺー。のそのそしてないで、すくってやれよ」
「あ、あ、あ、あ」
「いい。ちっこいから抜いちゃうから。うりゃ」
ゴン。パシャ
「あれ!?」
「あ〜あ、船にぶつかった弾みで外れて、川に帰って行っちゃった」
「もったいないな〜大下さん。でもね、この下に兄ぃブッシュってのがあるから」
「あ、社長が陸っぱりで3匹釣った」
「そこ。最後の頼みの綱」
「任してくださいよ」
「いやいやいやいや。オレが投げるから」
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。2人とも仲良くやってください」
「ぺー。河童になれ!」

あとがき
「あ〜あ、お疲れ〜でいいかな?」
「ええ。はい、もう充分です。向こうも上がって来ましたよ」
「お〜い、お疲れ〜」
「お疲れさまでした。社長」
「その後はどうだったの?山田君」
「あのまんまです」
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
「ナニこいつ。河童?」
「そう。河童になれと言ったのに、ならなかったぺーです」
「ならないですよ。こんなに濁ってちゃあ〜」
「いいじゃん。勝者なんだから。勝者は入水するもんだよ。ザブーンって」
「そうだよ」
「やれやれ」
「え〜!?マジですか…」 「そのあいだにオレたちは帰るから」
「社長、めったにないんだから、お願いしますよ」
「めでたいね。こんな中、39cm。勝者は君だ、河童君」
「うぉっほっほっほっほっほ。河童のぺー」
「何ですか。山田さんまで」
「ぺー歌ってみ。かっぱっぱ、るんぱぱっぱ〜♪って」
「え!何ですか?それ?」
「知らないの?黄桜」
「自分も知らないです」
「ヤナギもかよ。じゃあ帰るか」
「え!?ルンパッパの話は、どうなちゃったんですか?」
「帰りの車の中で、大下さんに聞け」
「いや〜オレもわかんないな」
「うぉっほっほっほっほ。大下さん、自分と変わらないんだから、知らないはずないでしょ」
「♪黄桜〜♪」
「なんだ、本格的じゃない」
「さて、帰りますか?皆の衆」
「はい、お疲れでした。来週は留守居役で陸っぱり。楽しんでください」
「え〜山田君、そんな連れないこと言わないで、一緒にBack to the Futerure」
「見ませんよ。社長」
「じゃ、007?」
「それも見ませんよ」
「そうですか。来週は親睦会だそうです。まあ来週」


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