リハビリ in 白河フォレスト(2012.12.03)

「こんにちわ。働いてる須田です」
「あ〜ら、山田さん。こんにちわ、働いてる人はこんな時間に来ないよ」
「いえ、今日は公休日なんで」
「なるほど。あ!シフトが変わったんですよね?」
「ええ。金土日出勤ですよ」
「あ〜ら、お気の毒。お姉ちゃんと長い夜が過ごせないじゃない」
「ええ。そうなんですよ」
「もしかして辞めちゃうの?」
「う〜ん、ちょっとね」
「まあ、そんなこと言わず。いいじゃん、休憩で。別に泊まらなくたって、お姉ちゃんとは」
「そういうプライベートなことは答えません」
「あそう。今度ストーカーしちゃおうかな。そんなことより、月曜日一緒に行かない?リハビリに」
「どこへですか?」
「それがまだ決まらないんですよ」
「え!?兄ぃとでしょ?あ、根がかり君もですか?」
「に、山田君で、4人です」
「それはないですね」
「行かないの?ずいぶん冷たいですね」
「ええ、いろいろとあるんで。それに場所も決まってないんじゃ行くも何も、ね〜」
「たぶん、白河フォレストですよ。根がかりのがいい思いしてるんで」
「白河っすか…寒そうですね」
「はい。すぐ横はスキー場ですから」
ピロリロリーン♪
「お!兄ぃからメールだ。なになに…『場所の選択肢は4つあります。1、白河フォレスト。2、川場。3.発光路。4、加賀。どこにしましょうか?』だそうですよ、山田さん」
「うぉっほっほっほっほ。白河に行きたいって、言ってるようなもんじゃないですか」
「オレもそう思う」
「自分は行きませんね」
「何で?暑くないよ」
「ええ。冬ですから、暑くはないですよ」
「魚立派だし、釣り場は綺麗で広いし、ごはんもおいしいし、言うことないじゃん」
「ええ。3人で楽しんで来てください」
ピロリロリーン♪
「あ、兄ぃから返事だ。『朝、4時30分に伺います』」
「4時30分ですか、社長」
「はい。釣り人ですから、朝一から。ね、山田君」
「行きません!」

本日の登場人物

根がかりの。「ミノーで釣りますよ」「根がかりじゃねえの」

矢島兄ぃ。「リハビリになるといいんですが…」「はい、リベンジだけは避けたいです」

私。「何年ぶりかな。6、7年ぶり位ですよ」「大丈夫です。その頃より、今は釣りやすくなってますよ」

「社長、頑張りましたね。6時20分に着いちゃいましたよ」
「そうすね。結構、踏んじゃいましたよ。SAのそばがうまかったんで、張り切っちゃいました」
「でしょ。本当は肉そばを食べて欲しかったんですよ」
「あ〜根がかりのがお薦めのヤツね」
「はい、そうです。自分も食べましたから」
「肉はいいよ。昨日、とんかつ食ったから」
「え!?どこ行ったんですか?」
「イオンの中」
「あ〜富カツとかいうとこ?サブ屋さんじゃないんですか?」
「何だそれ?サブは売り物じゃないよ。いっぱいで入れなかったんだよ。昨日、入れれば先週は4回行ったことになる。ウケ狙いでいってみたんだよね」
「4回ですか…」
「いやいや。入れてないから、3回だよ」
「そんなにですか」
「何か行っちゃうよね。表白くね?」

「はい、2cmほど積もってます」
「だいぶ寒そうだね」
「はい、相当に」

「矢島さん、社長寝てますよ」
「早く着いたから、温まっているうちに寝ちゃったんだね」
「先に行きますか?」
「そうしよう。場所取りもしたし。様子を見てから、起こしに来よう」

「おっ!」

「でっけえ、岩魚。44、45cm」
「どうですか?」
「あれ!?兄ぃ」
「流石に8時なんで、起こしに来たら、釣ってるし」
「実はね、7時7分に目が覚めました。
1個目のでかい池で結構ライズしてたんで、
思わずやっちゃいました」
「あそうですか。じゃあ良かった。ルアーは何で?」
「ケムポップSで1匹。シケイダーで1匹。
さっきはクランキンピューパで。兄ぃは?」
「クランクで6匹ですね」
「根がかり野郎はどうしました?」
「1、2匹と言ったとこです。上の池、行きましょう」

「あ〜なるほど。魚の量が全然違う」
「でしょ?クランクのボトムノックが効きますから」
「いいじゃないですか、バスマン向きで。ニーリングでもしますか」
「それ、絶対やった方がいいです。効きますから」

「お〜根がかりか?根がかりの」
「違います。魚です。でかいんです」
「あれ!?ミノーじゃないの?」
「はい。ミノーはさっぱりなんで、クランクでやってます」

「あれ!?根がかりの。立派な竿持ってるジャン。ちょっと貸せよ。スプーンもついてることだし。ルアー交換するの大変なんだよ。おじさんには」
「わかります。うちのオヤジが似たようなこと、いつも言ってますから」
「あ〜オヤジさんと同い年か、オレは。あれ!?リール右巻きなの?」
「はい。スプーンは右巻きなんですよ。右じゃないと一定の速度で巻けないんです」
「え!?じゃあ、投げた後、持ち替えてるの?」
「はい。何でですか?」
「持ち替えている間に、スプーンが沈んじゃうだろ。タナが変わっちゃうだろ」
「そうなんですけど…どうしたらいいですか?」
「巻けないんじゃあ、そこは大事なとこなんで、左で投げるか」
「え!?できるんですか?」
「何とかなるだろ。ベイトはできるんだから」
「は〜」

「社長、うまくなってないですか?左手投げ」
「そうだろ。成せばなるんだよ。大松監督も言ってたろ」
「誰ですか?それ」
「東洋の魔女だよ。オヤジに聞け。おっ!来たよ。人の竿で」
「マジですか」

「立派なのが釣れたよ」
「社長、凄いですね。左手投げで人の竿で」
「な〜自分でもびっくり」

「だいぶ暗くなってきましたね」
「はい。16時過ぎましたから」
「思ってたより、厳しくないですか?兄ぃ」
「はい。かなり厳しいです。加賀並みです。何があったんですかね」
「見てくださいよ。根がかりのは石の上で休んでますよ」
「あがりますか?16時40分になりましたし」

「上がりますか」
「おう、帰ろう。根がかりの」
「いや、根がかりじゃないんですけど」
「いいの。『根がかりの』で」

あとがき
「お疲れ。厳しい中、ご苦労だったね、根がかりの」
「はい。だいぶ予定とは違いました。ミノーでガンガンだったはずなんですけど」
「オレもそう聞いていたんで、トゥィッチばっかしてたら、凄え糸がよれて糸半分以上捨てた」
「大変でしたね」
「ね〜年寄りにはそういう作業、ツライよ」
「いやいやいや。うちのオヤジに比べれば」
「またその話かよ。ときに夕飯はどうするんだい?」
「サブ屋さんがいいです」
「何食うの?いろいろあるけど」
「実は、健康診断で引っかかっちゃったんですよ。肝臓が」
「酒かい?」
「いいえ。脂肪です」
「なんだ、フォワグラか?」
「はい。それです」
「じゃあ、いいメニューがあるよ。サブに。油を使っていないヘルシー唐揚げ。それにしろ」
「いいですね。お2人は?」
「兄ぃは決まってるんだよ。鳥と野菜の黒酢あんかけ。人気メニューだね。オレはまだ未定」
「あ〜。オレもそれがいいな。黒酢あんかけ」
「ダメだよ、おめえは。ヘルシー唐揚げにしとけよ」
「いや大丈夫です。黒酢で中和しますから」
「ったくな〜。しょうがねえヤツだな。でもよ、食べたっていいんだよ。燃やせばいいんだから」
「来週から、会社まで自転車で行こうと思ってるんですよ」
「お〜それはいいね。やった方がいいね」
「でも、自転車、泥よけが付いてないんで、雨が降ったらどうしようかと」
「たわけ!雨の日は車で行けばいいだろ。毎日雨降るわけじゃないんだから。それにママチャリで来いよ。負荷掛けなきゃダメなんだから」
「あ〜そうですか…う〜ん」
「全くな。優柔不断な今時の子だな。やると決めたらやれよ」
「娘さん、どうですか?同い年なんですけど」
「うちは奥方が凄いからね。根がかりのとはちょっとタイプが違うよ」
「凄いって、どんな風に凄いんですか?」
「口では言えないね」
「あはははははは。そうこうしているうちに着きましたよ」
「よし。サブへゴー。じゃあ、また来週〜」


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