「こんばんわ」
「あれ、臼井さん、いらっしゃい」
「ひどいな。いよいよプールの季節ですね」
「そうだね。いよいよだね。根がかりのが来て、『プールでいっぱい釣れましたよ』って言ってた」
「行きましょうよ、社長」
「行っちゃう?」
「是非」
「現地に8:45で」
「了解です。楽しみです」
本日の登場人物
臼井さん。「やあ、根がかりの」「違います。おはようございます。波のプールは人がいませんよ」 |
私。「そうだね、いきなり釣れちゃうね」「はい、社長に言われた秘密兵器作って来ました」「いいね」 |
「さ〜て、先に投げちゃうよ」
「もうですか。オレは、フライなんでまだ支度が…」
「そう。じゃあ遠慮なく釣っちゃうよ」
「そんな…」
「おっ!いきなり来たよ〜。でも、のらない」
「よし、オレも準備できました」
「お、のったよ」
「マジですか」
「引く引く〜」
「ニジマスで、40cm位ですか。 何で釣ったんですか?」
「ハンクルクランクのオリーブ色」
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「社長を入れて撮りますよ」
「そう、悪いね。いつも撮るばかりだから、 自分の画像がないんだな」
「任せてくださいよ」
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「社長、鴨が飛んで来て、魚食べてませんか?」
「魚が大きいから、流石に食えないだろ」
「でも、何度も潜ってますよ」
「確かに」
「社長のケムポップ、何かカチカチ言ってないですか?」
「そうだね。鴨のそばに投げると。もしかして鴨にかじられてる?」
「はい。たぶん。そっか。オレもラバーレッグフライ持って来てましたよ」
「あ〜この間ので?」
「はい、そうですよ。バズベイトから外したヤツ。早速投げてみます」
「お!お!うぉ〜」
「やたら出るね。全然のらないけど」
「出るだけでも楽しいですよ。でも、一回位のって欲しいですよね」
「あ〜あ、見切られたみたいね、そのフライ」
「はい。ドライシェイクがなくちゃったんで、浮きがいまいち悪くなっちゃいました」
「お、来たよ。久々に。結構大きい」
「またですか。こっちはアタリはあるけど、のらないです」
「日頃の行いですよ。うぉっほっほっほっほ」
「山田さんの真似ですか」
「そう。でもおかしい。全然引かない。ゴミっぽい」
「ゲッ!死魚」
「あひゃひゃひゃひゃ。やりましたね、社長」
「持って帰る?臼井さん。珍しいアルビノだよ」
「じゃあ帰りに、井田んとこ持ってきます」
「ひどいヤツだね、臼井さんって」
「いえいえ、山田さんほどじゃあないですよ」
「何してるかね。モギってるかね」
「いやあ、寝てるんじゃないですか」
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「あれ、また来た」
「風裏のせいですか」
「たぶん」
「まだ子供の鴨です。あれ!?写ってない。
ちょうど潜ったか」
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「いやあ、渋くない?臼井さん」
「はい。メッチャメッチャ」
「弱ったな。普段投げないルアーを投げてみるか?これだ!」
「えい!凄え飛んだ」
チャポン。ゴーン!
「凄え。落ちパク。ヒャッホヒャッホ」
「見て見て、臼井さん。綺麗なニジマス」
「ほんとですね。予定ではこんなのが、
バコバコのはずだったんですよね?」
「はい。予定では。あくまで」
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「暑くない?」
「社長は暑いでしょ。真冬の装いですから」
「そのせいか。しかし、アタリがない。どうしようかな」
「オレはヤケっぱちのフライでいってみますよ」
「ウキ付けないの?」
「はい。今日は引っ張った方がいい感じなんで」
バシャバシャ
「やっと釣れました〜」
「フライは何?どんなの?」
「ピーコックのみ」
「あれ!?それはフライって言わないな」
「社長、言ってたじゃないですか。
『ピーコックは魔性のマテリアルだ』って」
「え!?魔女のモデル?」
「社長。もういいですよ。無理やりボケなくって」
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あとがき
「臼井さん、腹減ったね。メシ行かね?」
「オレ、弁当持って来ました」
「あ、悪いね。オレの分まで」
「いやあ。社長のはないですよ」
「え〜ないの」
「はい」
「じゃあなにかい、一人でサブっちゃうわけ?」
「または、マッハカレーでもいいんじゃないですか?」
「どっちにしろ、一人じゃん」
「そうですね。あ!今から山田君のとこ、行ったらどうですか?」
「え〜今から〜。じゃあ電話してみるよ。『モギリ小屋の前でBBQしてもいいか?』って」
「あひゃひゃひゃひゃ。絶対ダメですね」
「やっぱ、ダメか。じゃあ帰るわ。家で食べるよ」
「オレはもうちょっとやっていきます」
「いやあ渋い中、ご苦労さまです」
「はい、お疲れさまで〜す」
「ほんとに放流したのかね」
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