オーラス in 鬼牧川(2012.11.05)

「こんにちわ」
「いらっしゃい、栄ちゃん。さぼり？」
「いえいえ。ご注文の品をお届けに来ました、と月曜日休みが取れたんで、是非お願いします」
「遂に取れた？こっちも最後なんで、いいかもしれない」
「はい。今年は最初と最後の２回だけですね、一緒に行けたの」
「あ～最初はぜんぜんだったよね」
「はい。せめて最後くらいは」
「う～ん、この時期だからね。午後が勝負」
「じゃあ、昼頃来ればいいですか？」
「それじゃあ、悔いが残るだろ。現地に５：３０」
「はい、釣り人ですから、大丈夫です」

本日の登場人物

栄ちゃん。「久々です。船乗るの」「まあ大して変わんないよ。むしろ楽だよ」

私。「最後にしちゃあ、２人きりはさみしいね」

「誰もいませんね」
「そうだね。とっとと下ろしていってみる？」
「はい。楽しみです」
「大して寒くないし、いけそうだね」
「はい。曇ってるせいですかね。あ！」
「出たの？」
「出ました。のらなかったけど。トリックダーターのギラギラおいかわに」
「やるな、メガバス。流石だね。良く出来てるし」
「社長はＰＯＰＸですか？」
「いや、ＧｉａｎｔＤＯＧ－Ｘ」
「このまま下りちゃうんですか？」
「そう…ね、ちょっと様子を見ながら」
「楽しみです。この先が」

「まったく、何も起きなかったね」
「はい…寒いですし」
「全然気温が上がってないよね、陽がないから」
「予報では、１日こんな感じみたいです」
「じゃあ、コーヒーでも飲むか。お湯沸かすから」
「頂きます」

「さらに何も起きないね」
「社長、寝ちゃってもいいんですよ」
「いいの？じゃあ一寝入りして、飯食ってからやるか」

「よしっ、再開」
「いきます」
「う～ん、何も起きないね」
「はい。全然」
「こういうときは、藪の中だよ」
「え！？そのトレジュ、入れちゃうんですか？トリプルフックですけど」
「意外に大丈夫なんだよ。えい！お、入った」
チャポチャポ。ドン！
「ほ～ら釣れちゃったし。例によって、いつものサイズだけど」
「いいえ。これからです」

「今期を象徴するかのような２６ｃｍ」
「元気が出ました」
「よし、大きく移動して、ガンガン行くから」
「はい！」

「そこの木なんかいいんじゃない。やってみなよ」
「はい。じゃあこれでＷスイッシャーのチャート」
チャポン。ジャッジャッ。バシャン
「うわ！出たのに…」
「あ、ルアー殺されてる。もう一回投げて」
「はい」
シ～ン
「あ～あ。オレの人生こんなもんだ」
「おいおい。大げさだよ。この先も結構いいから。そのあと下るよ。ほんとの勝負はそっからだから」
「わかりました」

「あん中、入れてみ」
「あ～あのヤブですか」
「そう。やらないんなら、オレやっちゃうよ」
「いえ。やります」
ピューン。チャポン。
「お、いいとこいったじゃん」
チャッポチャッポジャラジャラ。チャッポチャッポジャラジャラ。
モワ～ン
「お！今、反応あったじゃん」
「ありましたね。続けてみます」
チャッポチャッポ。ドバン
「お！出た」
「枝に絡まってます。どうしたらいいですか？」
「行くから溜めてて」
「あ、あ、あ…」
「あ～あ、もったいね」
「う～ん、社長のよりでかかったのに」
「そうね、４０はあったね。まだあと１時間半あるから、どんどんいって」
「はい」
ヘロ～ン
ヘロ～ン
ヘロ～ン
「キャスティングがおかしいんじゃねえの？栄ちゃん」
「はい、手が。こんなに投げたことないんで。社長は平気なんですか？」
「あ～いつもより少ないしね」
「え～あれで…」
「そうだよ。もう道具も仕舞ちゃったし。どんどん投げて」
「はい～」

あとがき
「お疲れ～でいいの？」
「はい。もう十分です、っていうかもう無理です」
「まあ、時間も時間だし、しょうがないね。残念でした」
「いいえ、十分楽しめました。来週はどうですかね？」
「残念ながら、来週が日月が雨なんだな」
「社長とオレですから、雨でもいいんじゃないですか？」
「いやいや。この時期の雨をなめちゃいかん。異様に冷えるからね」
「あ～、じゃあまた陸っぱりで修行してきます」
「修行なんて言わず、楽しんで来てよ」
「はい、そうします。社長は終わりですか？」
「船はね。このあとは陸っぱり、アーンド、プール」
「いいじゃないですか。で、雪山ですか？」
「それはどうかな。一人だしね。だいたい八郎以外で４０アップを釣ってないし、そう簡単に終われないんだよ」
「社長、諦めが肝心ですよ。いつも言ってるじゃないですか」
「確かにね。いやいや。もう何回かは行くよ。春行けなかった分。雨ばっかりだったから」
「はい、社長と自分は雨男ですから」
「困ったもんだね、それは。また来週～か？」