ラス前 in 鬼牧川(2012.10.29)

「こんばんわ」
「おう、柳澤君」
「月曜日は何時ですか?」
「現地に5:30で頼むよと、な〜んにもしない山田君の世話もね」
「でくのぼう…的ですか?」
「そう。今が旬の『のぼうの城』だね。でも、こっちはやる人だったから」
「こっちはどうなんですか?」
「やるよ、相当に。ただ…」
「あ〜電池切れが早い」
「そう。中国製かもね」
「あははははははは。任せてください」
「こんばんわ」
「お!臼井さんの登場です、柳澤君」
「あ、どうも。月曜日よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「社長、山田さんは今日来てないんですか?」
「変身中だと思うよ」
「え!?何にですか?」
「ハメハメハ大王に」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。マジですか」
「毎週だからね」
「時間は何時で?」
「現地に5:30だから、そのつもりで来て」
「わかりました。お願いします」

「もしもし。こんにちわ、須田ですよ」
「あ、これはこれは、変身中の山田さん、おっと大王」
「何ですか、それは」
「いやいや。時間?」
「ええ。そうですよ。いつも通りですか?」
「はい、いつも通りなんで、変身したまま来てください」
「え!?」

本日の登場人物

山田君。「変身って何です?」「臼井さんに聞けば」

ヤナギ。「ごぶさたしてます」「お〜義弟よ」

臼井さん。「あひゃひゃひゃひゃひゃ。山田大王」「そんなうすっぺらいヤツに言われたくないよ」

私。「あと2回。40アップは釣れるのか?」「大丈夫ですよ」「うすっぺらな励まし、ありがとうございます」

「社長、見てくださいよ。この朝もや」
「凄いね」
「ええ。釣れますよ。これは」
「またそれか。でも、予報より寒くないんで、いけるかもしれない」
「どっち行きます?社長達は」
「ヤナギたちは上がりたいだろ。後から行くよ」
「はい、じゃあお願いします」

「臼井さん、意外に濁ってない?」
「はい、砂が舞ってます」
「だよね。どんどん水が増えてる気がするんだよ」
「ですかね。オレ、こっちまで下りたことないんで」
「ここでUターンしよう。帰りが大変だから」

「臼井さん、うまいね」
「いや〜マジックブレンドのおかげですよ」
「いやいや。それ抜きでも」
「ありがとうございます。でも、全然アタリがないんですけど」
「そうね。初めて3時間になるけど、もぐもぐ、ごきゅごきゅ」
「また食べてるんですか?」
「うん、他にやることないし」
「何個食べました?」
「おにぎり5個にパン1つ」
「そんなにですか?」
「まあ、いつも通りだよ。コーヒー飲む?これからいれるけど」
「え!?水とかあるんですか?」
「あるよ。先週、兄ぃが2Lを2本くれたんだよ。使ってくれって」
「流石、兄ぃ。オレ何も持ってきてないですよ」
「わかってる。だから、川の水沸かす」
「また〜4Lもあるんだから、それ飲ましてくださいよ」
「わがままだな〜」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。ひどい話ですね」
「はい。出来たよ。砂糖とミルクは?」
「あ、大丈夫です」
「いいの?ブらッキュで。ぺーみたいに捨てないでよ」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
「臼井さん、この先は小バススクーリングエリアなんだよね。ルアー小さくした方がいいよ」
「この際、小バスでも何でも。オレはメガバスのコアユです」
「おっと、奇遇だね。メガバスのベイビーPOPX」
「ちっちゃいですね。投げられるんですか?」
「任せなよ。マジックブレンドだから。えい!」
チャポ。チャパチャパ。チャッチャッ。シュポ。
「うわ。社長、ほんとに出ましたね?」
「な〜言ったでしょ。しっかりのってるよ。20cm位かね」
「網用意してますから」
「いいよ、ばれたから」
「もったいね〜」
「まあ、ハリが小さいからね」
「そんな理由ですか」

「臼井さん、眠いの?」
「はい、とっても」
「じゃあ、寝るか。10時だし」
「ここでですか?日向ですよ」
「この時期はね、日向じゃないと寒くて眠れないの。
それにこの風だし。風裏の日向」
「まるで日向ぼっこですね」
「じゃあ、タクアン食べる?」
「え!?何ですか、それは」
「縁側で日向ぼっこを想像してみなよ。お茶にタクアンだろ」
「いつの話ですか?」
「相当昔だね。オレも良く知らねえし」

「う〜良く寝た」
「寝てたね、臼井さん。オレは珍しく、あんまり寝なかった」
「あ〜何か船動かしてましたよね」
「そうそう。日陰になっちゃって、寒かったんだよ。
で、日向に移動したわけさ」
「で、タクアンですか?」
「いやいや。日高昆布」
「何ですか?それは」
「メシにするか。お湯沸かすからさ、カップ麺出して」
「あ〜すみませんね。何から何まで」
「じゃあ、操船して」
「はい…残念ながら、出来ないんです」
「チェッ!山田君みたいなヤツだね」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。一緒ですか」

「メシも食ったし、午後の部を再開したんだけど、さっぱりだね」
「はい。全然です」
「よし。一気に場所を換える。この辺は捨てる」
「あ、はい。お任せします。こんな時間までやったことないです」
「まだ、13時だよ」
「は〜、でも前回より全然楽です」
「だよね。朝もゆっくりだし、日差しも弱いし」
「はい。その差はでかいです」
「この辺はなかなかはずなんで、気合入れてやってみて」
「はい。心なしか岸際は澄んで来ましたよね」
「あ、そうだね」

「やあ、山田君じゃないですか?柳沢さんと。いかが?」
「完全無欠のノーバイトです」
「ヤナギも?」
「ええ。全く。山田さんがキャスティングうまいんで、びっくりしました」
「だろ。でも投げっぱなしなんだよね」
「いえ、社長違います。丹念にやってるだけです。しっかりポーズを取って」
「そうかね…」
「ええ、そうです」
「オレと臼井さんはもうちょっと上ってから、下りるから」
「わかりました」

「臼井さん、ここでUターンするよ。下りはペンシルがお勧め」

「オレはこれ」
「でかいですね。それ何ですか?」
「ガンクラフトのエスケイパー。140mm、30g。
ベイビーPOPXとはえらい違いだね」
「ホントですよ。午前中のは50mm、5g位ですか?」
「そうだね。えらい違い。まあ、これ位メリハリがないと」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ。違うと思いますけどね、意味が」

「社長、さっきから文句ばっかり言ってますけど」
「いやいや。率直な意見を言ってみたんだよ」
「それにしちゃあ、ず〜と投げてますよね」
「そうなんだよ。実はね、このルアーで釣りたいわけさ」
「いつだったか、山田君と話しながら、そのルアーを
タックルボックスから出してましたよ」
「はい。思うところあって、また持ってきたわけさ。
使い方が間違ってたかなって」
「あ、そうなんですか。それでずっと」
「それももうちょっとで終わっちゃうね、この先は浅いから。
でも、水が多いせいで、もうちょい行けそうかな」
「あ〜そうですね。そろそろって感じですよ」
「あれ!?新しいブッシュがある。ト〜!」
ザブン。チャッチャ。ノタノタ。ガバッ!
「お〜出た。のってるし」
「社長、ばらさないでください」
「大丈夫。ハリがでかいから」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ。はい、すくいました」

「釣れたね。遂に」
「ええ。でかいので釣れた割には、そうでもないサイズですけど」
「全く。32cm?太ってるけど。臼井さんみたいじゃん」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ。たばこやめて10kg太りました」
「さ〜て、残るはあと1時間あるかないか。全ナメしてね」
「わかりました。山田君並にいきますよ」

あとがき
「お疲れ〜」
「お疲れ様でした。すいませんでした。全部やらせてもらって」
「いやいや。オレは釣ったからさ。釣りたかったルアーで」
「ですね。あんなに文句ばっかり言ってたのに」
「そんなに…か?」
「そんなにですよ」
「あ〜ひどいこと言ってたよね。関西限定とか、たいして動かないとか」
「ええ。他にも言ってましたよ『魚のスイッチを入れてみろ』とか」
「すいません。言ってました。実はさ、このルアーに対して、竿が柔らかいとか、川だから流れがあるとか…というのを思い出して、考えながら使ってみたわけさ」
「あ〜何か言ってましたよね」
「たぶん、本来の動きとは違うとは思いつつも、こんな時期だから、多少はモタモタするのもありかと。逆にね」
「それで下りなわけですか」
「そうそう。そんな感じ」
「オレもおかしいと思ったんですよ。いつもはチャッチャカチャッチャカやってるのに」
「でしょ。メリハリの効いた強弱のあるジャブとストレート。どう?」
「いや〜。釣っちゃいましたから、何も言えないですね」
「臼井さんは、いつものオレみたいだったよね」
「そうですか?」
「そう。旦那西牧が良く言ってたよ『釣れないときは、社長の反対のことをしろ』って」
「あひゃひゃひゃひゃ。ダメダメじゃないですか、社長って」
「結果的にはね。でも、それで釣りたいんだから、しょうがない」
「今日も?」
「いやいや。ルアーと竿の相関関係について研究だよ」
「山田さん、社長が何かおかしなこと言ってます」
「社長、帰りますよ〜」
「お!じゃあ、サブで。勝者はオレだ。正義は必ず勝つ」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ。全然違いますね。来週は最終戦だそうです。僕はこれで終わりです」


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