トリオ・ザ八郎 in 鬼牧川(2012.10.15)
「もしもし、山田君ですか?」
「いえ、須田と申します」
「あ〜通称ね。こんにちわ」
「ええ。こんにちわ。本名ですよ」
「15日の件だけど」
「待ってましたよ。兄ぃとですよね。八郎以来の」
「だね。確かに、八郎以来」
「有休の消化ですか?」
「だって。毎日無給休暇の人もいるけどね」
「うぉっほっほっほっほ。誰ですか」
「誰って…山田さん。ね〜」
「しょうがないヤツですね。山田さん」
「だけどさ〜。千何日無給でほぼ毎週釣りやらお姉ちゃんやらで、とてもそうは思えない。何か裏技があるんじゃねえの?」
「は〜確かに。今度、山田君に聞いておきますよ」
「おいおい。キミだよ」
「うぉっほっほっほっほ。なかなか大変です」
「え〜現地に5時半だから。そのつもりで来てね」
「わかりました。いつも通りですね。ワイパーがいないので、安心ですよ」
本日の登場人物
兄ぃ。「八郎以来ですね、この3人は」「はい、ガンガンいってください」 |
山田君。「兄ぃ、前で全部撃ちますから」「バカじゃねえの。その前にオレがいるんだよ」 |
私。「社長、全撃ちですか?」「旦那西牧じゃあるまいし、できるわけないじゃん」「うぉっほっほっほ。楽しく行きましょう」 |
「お〜一番ノリだよ。水もいい感じだよ」
「寒くないですか?社長。それにかなりクリアですけど、水が。ねぇ〜兄ぃ」
「かなりですね」
「どれどれ。あれ!?ホントだ。こんな日はロングキャスト。じゃあ行ってみる?」
「平日だって言うのに、陸っぱりが意外にいるね」
「ええ。ほんとですよ。あれは、プータローですね」
「おいおい。そりゃあキミだけだよ。兄ぃだって休暇だよ」
「ええ。今週は凄いですよ。2勤5休ですよ」
「え!?兄ぃの会社も暇になっちゃったの?」
「だいぶ。しかもうちの課は特に」
「あ、そう。臨時工員として、入れて貰おうと思ったのに」
「もしもし〜山田さ〜ん、いまさら何言ってるんですか〜」
「うぉっ!」
「何だよ、急に」
「社長、今出ましたよ」
「枝だろ。『ヨッシャ〜』って言ってみろよ」
「いえいえ。アタリです。兄ぃも見てましたから」
「やっとかい」
「社長、あの陽だまりでどうですか?」
「え〜!?昼寝かい。早いね。まあアタリもないからね。どう兄ぃは?」
「自分は明日も釣りなんで、この時間の休憩は嬉しいですね」
「決まり。寝るよ。この時期は陽だまりで」
「山田君、大変だよ」
「こんにちわ。社長」
「寝ぼけてる場合じゃないよ」
「何ですか?」
「もう、11時だよ。2時間も寝ちゃったよ」
「あれ!?きっとあの辺に並んでる餌釣りのおじさんたち笑ってますよ。あいつらまだ寝てるって」
「じゃ、メシにするか。ちょっと早いけど」
「あそうですね。日が沈むのも早いし」
「あ〜寝たし、メシも食ったし。何だかんだで休憩3時間」
「そうですね。あんなにいた餌釣りのおじさんも半分になりましたよ」
「ほんとだ。あれだけ入れ食ってれば、帰るよね」
「堪能、堪能って感じですか」
「それにしても、この水の綺麗さは、どうだい」
「ええ。秋を通り越して、冬って感じですよ」
「じゃさ〜ちょっと戻って、深場を控えたところやるか」
「いいですね」
「おっ〜!来ました」
「山田君、網網」
「任せてくださいよ」
「山田君、柄が延びてないよ。あ〜もういい、そのままですくって」
「大丈夫ですよ」
「とれました。35cm。ルアーは何ですか?」
「オリジナルフィーの真っ黒です」
「やはり。どうもね、こうクリアになると、
チャート系は今ひとつで、自然なナチュラルな馴染む的な」
「何言ってるんですか、社長。全部同じじゃないですか」
「かもしれない、よって、ここからはこういった類のものを投げる」
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「あ〜ここまで来ちゃったね〜」
「はい。いまだ兄ぃの一発のみ」
「と、山田君の枝」
「社長、違いますよ」
「ここから下るから、残り2時間ビッシビシ行ってね」
「わかりました」
「オレはあえてトリプルフックのGiantDOGXの鮎カラー」
ドン!
「うわっ!メガバイト。なんでトリプルフックなのに、のらないの」
ドン!
「うわっ!追い食いしたのに、またのらない。あ、ルアーが死んでる」
「じゃあ、自分がそこに」
シーン。
「じゃあ、オレはあっちに」
ドン!
「今度はのった。でも、小さい」
「綺麗な24cm」
「いいじゃないですか。やっぱり鮎カラーですか?」
「思い出すね、八郎。ね〜兄ぃ」
「ええ。社長と自分がGiantDOGXの鮎カラーで入れ食いでしたよね」
「そうそう。何故か山田君は持って来てない」
「結局、社長の借りてましたよね」
「そうなんですよ。スネオになってったんで」
「途端、爆発してましたよね」
「はい。未だにそのルアー返してもらってませんよ」
「うぉっほっほっほ。思い出の品ですから」
ドン!
「また来たよ。今度はもうちょっとマシ」
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「立派な32cm。秋バスですね」
「あとは山田君だけですよ」
「やっぱりペンシルですか?」
「そう。下りはペンシル。自然に動く」
「社長、その前にWスイッシャーで3回出たじゃないですか
『トリプルフック3箇所なのに、何でのんないの』って文句言ってましたよ」
「よって、GiantDOGX。いろんなルアーで釣りたいじゃん」
「いやいや。Wスイッシャーもメガバスでしたよ」
「好きなんだよ。メガバス。いくらでも買えるし。
そんなことより、早く投げて。暗くなっちゃうよ」
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あとがき
「社長、充分です」
「何?お疲れ〜でいいの?」
「はい。お疲れ様でした。社長にも兄ぃにも全部譲って貰いましたから」
「いや〜まいったね。先週あんなにアタリがあったのに、今週はさっぱり」
「いやいや。社長は6発ありましたよ」
「先週はオレは14発だよ」
「水のせいですか?」
「おそらく。こんなにクリアーになってるとは、夢にも思わず」
「天気予報によると、木金が雨らしいんで、22日は良さそうじゃないですか?」
「あ、兄ぃも参加ですよね」
「ええ。楽しみです」
「うぉっほっほっほっほ。自分は用があって、来られませんが、楽しんでください」
「あれ!?那須に紅葉を見に行くの?山田君」
「社長、全然違いますよ。母親を病院に連れて行くという大役があるんです」
「え!?母親と病院でたい焼きを食べるの?」
「社長、もういいですよ。勝者は兄ぃですから」
「何か去年に似てきたね。合い言葉は16時20分」
「ええ、近くなってきましたよ。朝一が無駄のような」
「まあ、それは来週行って考えよう。ね〜兄ぃ?」
「ええ。朝一から行きましょう」
「あ、ぺーも来るらしい」
「じゃあ、3人ですか?」
「う〜ん。ドタキャンがなければ」
「ね〜。あの会社ですから」
「いやいや。ぺーのせいでもあるんじゃねえの」
「ええ。今の子なんで」
「ゆとり世代か〜。頼むよ。じゃあ、また来週〜」
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