下見だって in 鬼牧川(2012.09.10)

「もしも〜し、山田君じゃないですか。何ですか?」
「こんにちわ、社長。月曜日はいよいよ下見ですね」
「は〜。そうね。来週だし」
「ええ。金井君は聞いてますか?」
「いいや。相変わらずコソコソしちゃってるから。代わりに兄ぃが参加だって」
「あ、恒例ですね。何時にしましょうか?」
「現地に5:10…かな」
「刻みましたね」
「この10分がものをいうわけだ。と言っても、俺にはあんまり関係ないんだけど」
「そんなことおっしゃらず、陸っぱり大会があるじゃないですか」
「それがさ、今回は全くの一人ぼっちなんだよ」
「いいじゃないですか、一人だって。魚釣ったら、『よっしゃ〜』ってやってくださいよ」
「まあ、釣れたらね。秘策はあるから」

本日の登場人物

兄ぃ。「八郎以来です」「え、しっかり練習してください。何なら操船も」「いえいえ」

山田君。「社長、釣りますよ」「はいはい。聞き飽きました」

私。「今日は完全にガイド役だね」「頼みますよ、しっかりと」「何だよ、その政治家みたいな言い方は、山田君」「うぉっほっほっほっほ、目指していますから」

「濁ってるね、やっぱり」
「はい。予想通りですね」
「どっちに行きますか?お2人」
「社長的には、どうなんですか?」
「14時には上がりたいわけさ、なので上りだね」
「あ、お弁当ですね」
「そうなんですよ、兄ぃ。大役があるんで」
「予報では、昼から風らしいんで、がっつりやって早上がりしましょう」
「山田君はどうかな?」
「ふん、ふん、ふん」
「あれ!?もう釣ってるの?」
「ふん、ふん、ふん、網、網、網」

「凄い、山田君。いきなり釣った」
「ええ、宣言通りですよ」
「いやいや、今日釣ってもね。本番は来週だから。それにサイズが」
「い〜や社長。まずはここからですよ。26cm。ね〜兄ぃ」
「ヤナギトンボですか」
「またそれ?しかもそのサイズ?」
「ええ、何と言ってもパートナーはミート君ですから」
「なるほど。その気持ちはわかる」

「上まで行ったけど、ダメだったね」
「ええ、下りましょうか。時間おしてますよね?」
「そうなんだよ。釣り人だから、ついついね」
「いやいや。橋の下で1時間寝たからじゃないですか?」
「あ、兄ぃ。その通り。早上がりって言いながら、がっちり1時間寝ちゃったからね」
「急いで下りましょう」
「あそこのテトラ、朝より水が減って、いい感じでよどんでるよ」
「社長、行っちゃってください」
「いいの。じゃあ、オレもトンボで」
「ええ、トンボ向きのポイントですよ、社長」
「と〜ぉと言えば、仮面ライダーらしいね」
「そうです。ライダーキックじゃなくて、飛ぶときですよ」
「あそう。じゃあまずは、くびを振らせて」
チャッチャッ
ガバ
「あれ。出ちゃったよ。のってるし」
「社長、トンボの必要全くなかったですね」
「はい」

「お〜山田君、すまんね。27cmだよ。レベルが低いね」
「い〜や、社長。まだ行けますよ」
「そうね。オレはもう見てるから」

「あ〜あ、結局何にもなかったね」
「全く」
「よっしゃ〜。ふん、ふん、ふん」
「あ〜、山田君。ぺーのパフォーマンスはいいから」

「分かっちゃいました?」
「一瞬、あれと思ったけどね」

「あ、あそこの船下ろした裏、いい感じだよ」
「兄ぃ、どうぞ」
「そうですか、じゃあ」
チャポン。パコパコ、パコパコ
「見てるよ、見てるよ、見てるよ」
「もう1回やってみます」
「ええ、さらにキワで」
チャポン。パコパコ、パコパコ
「見てるよ、見てるよ、見てるよ」
シュポ
「お〜見てましたね。来ました」
「う〜ん、サイズは似たようなものだね」
「ええ、1cmの戦いですよ」
「あれ!?ばれちゃった。終了ですね」

あとがき
「お疲れ様でした」
「お疲れでした。結構頑張っちゃいましたね」
「寝てた分じゃない…ですか」
「確かに。急いで弁当屋さんに行きましょう」

「ここですね」
「ここです。いるかな、おばさん。こんにちわ〜」
「いらっしゃいませ〜」
「あれ!?お姉さんになってる。予約したいんですけど」
「はい」
わいわいがやがや
「ありがとうございました。ではお待ちしてます」
「いつものお母さん、いなかったね」
「ええ。奥にいたんじゃないですか」
「これで弁当の大役は済んだし、あとは台風が来ないことを祈るだけだよ」
「ええ、釣りますよ。うぉっほっほっほ」
「じゃあ、兄ぃも楽しんでください」
「ありがとうございます」
「じゃあまた来週〜」
「親睦会ですよ、うぉっほっほっほっほ」


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