異教徒コンビ in 鬼牧川(2012.08.13)

「ごぶさた」
「お〜いらっしゃい。竹馬の友よ」
「月曜日はさ、3人だよね?」
「いや、2人にした」
「2人って、オレと?」
「新井君とオレ」
「あれ!?やったの、また」
「そうなんだよ。実はさ、こんなことが…」

『もしもし、金井君?4時半だけどさ、まだ来ないんだよ』
『またですか。最低ですね』
『山田君の件は知ってるでしょ?』
『あ、はい。ジンマシンでしょう。大丈夫なんですかね』
『大丈夫だろ。生卵でもいっぱい飲んだんじゃないの』
『で、社長はどうするんですか?』
『オレも今回はずっと待ってみるよ。金井君たちは始めてて。暑くなってきたら、あがっちゃっていいから。危ないから』
『わかりました。災難ですね』
『さ〜て、地デジ対応じゃないからテレビは見れないし、ラジオでも聞くか。お、ロンドンで愛ちゃんたちが卓球の決勝戦やってる…う〜ん、ラジオだと、よくわかんないけど、これしかないな』

『それにしても暑いな。何時だよ。げっ!7時だよ。まだ来ないし。流石にもういいな。片付けるか』
『あれ!?もう帰ってきたの。早いね』
『違えよ。相手が来ないから、行けないんだよ』
『今まで何してたの?』
『来るかもしれないから、車の中で待ってた』
『あの時間に出て行って?』
『そう。数時間』
『そりゃあ大変だったね』
『いや、それはもう乗り越えた。これから、シャワー浴びて、寝て、フローターをしに行く』
ピロリロリン♪
『あ、金井君だ。なになに。今日は調子がいいです。5本かけました。ハルオも3本かけました。でも釣ったのは、自分の2本だけです。社長にとっては、お気の毒な日でした。今日はお疲れ様でした』

「…ってことがあったんだな、新井君」
「あそう。また、やっちゃったんだ。電話もなかったの?」
「あったよ。船片付け終わったら。どこかで見てたんじゃないかというタイミングだったよ」
「まあ、流石にそれはないだろうけど。そうか、じゃあ2人で行くか」

本日の登場人物

新井君。「久しぶりだよ、船乗るの」「何?肘が痛いの?」「それ」

私。「でも、なんか久々な感じだよ」「のんびり行こうよ」「了〜解」

「いつもさ、お盆のときってさ、大人数で行ってなかった?」
「そうなんだよ。みんな仏教徒になっちゃったんだね」
「社長は、モルモン教だっけ?」
「そう、世にも珍しい喫煙者のモルモン教徒」
「あはははは。それはありえない」
「そういう新井君は?」
「僕?新興宗教を作ろうかと、今瞑想中」
「お〜いいね。決まったら、俺も入れてくれよ。っていうか、絶対ありえねえし」
「だね。やっぱ船はいないね。そのかわり、陸っぱりが多いよ」
「じゃあ、いつもとコースを変えて、チャッチャッチャと行ってみるか」

「お、出た。凄い出方」
「でかいんじゃない?」
「ところがそうでもないよ。かなり小さいと思うよ」
「ほんとだ。出方は凄かったけどね。26cm。ルアーは?」
「メガバスのX−PLOSEワカサギ」
「え!?背中が黄色し、羽根もついてるじゃん」
「そう。スペシャルチューン。自転車の反射テープを背中に貼り、
トリプルフックを羽根付きに変えたんだよね」
「羽根?」
「羽根」

「また、来たよ」
「2度食いだよね。ルアーは?」
「メガバスのPOPXカラクサタイガ。誰でも買える」
「羽根?」
「羽根。で27cm。地味にサイズアップ」

「う〜眠い」
「操船替わろうか?」
「いい意見だね。早速頼むよ。俺は寝るから」
「寝るって、どっかの木の下で?」
「いやいや。新井君は好きなように釣りしていいから。
オレはこのまま寝るから。じゃ」
グォ〜グォ〜
「凄!3分も経たない内に寝てる。この炎天下」

「う〜暑い」
「そりゃあそうだよ。こんな中、仰向けでそのまんま寝てるんだから」
「水、水。プッハー。見て。凄い汗」
「だと思うよ」
「で、どう?その後」
「何事もなく」
「じゃあ、あの木の下でメシでも食うか」
「いいね。でもさ、あんなに食べて、まだ残ってるの?」
「あるよ。あんなにたって、おにぎり6個にパン1個だけだよ。水は1.5L飲んだけど」
「そんなに…」
「いつもより少ねえよ」

「痛々しいね、そのサポーター」
「そんなんだよ。医者に行ったら、腱鞘炎だって」
「あ〜キャスティングエルボーね」
「そうなんだよ。テニスエルボーならぬ、
社長が言うところのキャスティングエルボーだよ」
「普通はならないんだよ。シューティングスタイルだと、なるんだな」
「病院の先生も言ってた『途中で止めるでしょ』って。
止めるから肘に負担がかかっちゃうだよって」
「あとはね、力み過ぎと脇が開くからなんだよね」
「そうなんだよ。脇が開いていいことないんだよ。ゴルフでも野球でも」
「はい。分かっててもなかなか出来ないんだよ。
それにしても、セミが凄いね。木に」
「あ、シケーダーに変えてみるか。えい!」
パタパタ。シュッ
「お、いきなり吸い込んだ。でかそうだね」
「でかい」
「慎重にね。もう網の準備は出来ているから」
「う〜。引く。でも、浮いてきた。凄いマジックブレンド、耐えてる。寄ってきたよ」
「だろ。肉厚だからね。あれ!?新井君、網に入んないよ。70cmはある鯉」
「あ〜がっかり。あ、切れた」
「残〜念。オレもセミにしてみるか、でっかいヤツ。マグナムデカダンス。トウ!」
ヒタヒタ。シュッ
「やべ。これも鯉だ。糸緩めちゃおう。あ、外れたよ。良かったバーブレスで」
「木の下でセミルアーは危ないね」
「ね〜。ぼちぼち下りるかい?」
「あ、そうしよう。だいぶ握力が落ちてきたんで」

「あのさ、いつもこんなに遠いの?ポイントまでの距離」
「うん。バックハンドだと、この位の方が」
「まあ確かにね。ポイントには入ってるけど。ポイント間が開くでしょ。
それにその投げ方だと、限られた場所にしか行かないよね」
「そうなんだけど、肘がさ…」
「なるほど。それで今日もそろそろあがりなわけね」
「そうそう。長い時間は無理なんで。あと5.6投で」
「全然OK牧場。オレは釣らしてもらったし」
「あ!」
「どうしたい?あれ!?こっちは石がひっかかった」
「あ、竿投げちゃった」
「え〜。こっちは石がひっかかって進めないから、竿の行方見てて」
「あ、ルアーが浮いてるから大丈夫。あ、あ、あ、あ、沈んでく…」
「あ〜あ。しょうがない。潜りモノはビッグバドしかないから、クランキングして探す」

あとがき
「社長。大丈夫、もう諦めたから」
「こんなときに限って、クランクベイトとか、ジグとかないんだよね。思いのほか、潜らなかったし」
「いや、暑い中ありがとうございました。大汗かかせちゃって」
「昨日、買ってもらったばっかりなのにね」
「あまりの投げやすさに、ついつい図に乗ってしまったのがいけなかった」
「ね〜どうなんだか」
「でも、保険入ってるから」
「いや、水没はきかないと思うよ」
「え!?ホント。じゃあ帰って調べてみる」
「その方がいいよ」
「今日はお世話様でした」
「いやいや。お疲れ様でした。今日はいろんなことあったね」
「全く。でも、ためになったし、楽しかったよ」
「帰り。気をつけてくれよ」
「そうだ。それがあった。気をつけるよ」
「はい、じゃあお疲れさまでした」

追伸
「昨日はどうも」
「お、どうしたの?」
「実はさ、ジグとバイブレーション持って、陸っぱり行ってきたんだよ。回収できないかと思って」
「マジで。で、どうだったの?」
「うん。ルアーが全部なくなった」
「わははははは。そりゃあそうだよね。テトラが沈んでいるから、陸っぱりじゃあ無理だよ」
「で、保険も調べたのよ」
「おう」
「去年の10月から改正で、釣り具携行品は対象外になっちゃった」
「ありゃあ。お気の毒」
「社長の保険も見た方がいいよ。レジャー保険でしょ」
「オレの場合は、スノーボードがメインだから」
「あ、怪我と遭難か」
「それだよ」
「じゃあまたよろしく」


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