「やっぱり…この雨だもの、増えるし濁るよね」
「おはようございます」
「あ、お三方、おはようございます」
「あれ!?須田っち、疲れてね?」
「そんなことないですよ。大下さん」
「じゃあどうしたの?ぐったりしているけど」
「ええ。ちょっとバイトに」
「は〜何屋さん?」
「内装的な」
「え!?建築屋さんなの?大変だね」
「ええ、まあ。そんなことより、今日は釣りますよ。久々なんで」
「オレも釣るよ。久々だから」
「みんな、1週空いちゃってるから、何か反応欲しいよね。ねえ、金井君」
「はい。今日は自分とカトちゃんと山田さんなんで、厳しいと思います」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ。金井さん、オレが操船しますよ」
「カトちゃんじゃ駄目だよ。後ろが釣りにならないから」
「なかなか止みそうにないから、いってみる?」
「はい、そうしましょう。どういうコース取りで?社長たちは」
「ちょい下って、対岸を打ちつつ上がりたいんだけど、いいかね?」
「はい。OK牧場です」
「では、戦闘開始」
「おっと!いきなり出たね。全くルアーは消えないけど」
「小さいんですかね」
「たぶん。もう1回投げてみる」
「あ!出ましたね、今」
「出たね。またルアー消えないけど。このまま誘ってみるか」
キュンキュンキュンキュイーン
バシャーン
「お!ノラズ。う〜ん。じゃあさらに奥へ。えい!」
キュンキュンキュンキュイーン
ドバッ
「完全に消えた。いただき」
「幸先いいですね」
「そうでもないよ。バレタから」
「マジですか。開始10分で4発ですよ」
「これで終わんなきゃいいんだけど」
「あれっきりだね。雨止んで暑くなってきたし」
「はい。風もびゅんびゅんです」
「メシ食ってねるか」
「そうしましょう」
「暑かったね。寝たんだかどうなんだかわかんない」
「社長、ばりばり寝てましたよ。怪獣並みでしたよ」
「あまりの暑さに一瞬起きたんだよ」
「あ、それでここにいるわけですか」
「良く寝てたよね、この炎天下の中で」
「はい。びっくりしました」
「じゃあ、このまま午後の部、行きましょう。このペースで行くと、上がるのは17時過ぎだね」
「そんなですか。じゃあちょっとスピードアップしましょうよ」
「了解」
「全く何事も起きないね」
「ほんとですよ。ナイスキャストの連続なのに」
「あ〜いわゆる、続く言葉はバイトなしね。水も増えたし、濁りもだいぶ入ちゃったね」
「ですね」
「あと1時間位だから、2本ある木で勝負」
「えい!…あれ!?それで終わりかよ」
「おぉっ!」