雨が降る前に in 鬼牧川(2011.10.28)
「もしもし、栄ちゃん?」
「はい〜。こんにちわ〜」
「来週、雨降りそうだから、明日行かね〜?」
「え、いいんですか。仕事は?」
「あ〜、暇、ひま、ヒマラヤ」
「そうなんですか。そうは思えませんけど」
「そんな軽く流さないでよ。ヒマラヤが言いたくて、こんな流れに持ってったのに」
「あ、読めなくて、すみません」
「明日なら、天気も良さそうだし、風も弱いと、お天気キャスターのお姉さんが言ってるし」
「え!どこのお姉さんですか?コンビニのあのお姉さんですか?」
「いやいや、お天気キャスターだから。でもね、ツナギはつけておいたから。こんなヤツがメールアドレス教えろって」
「ほんとですか!?」
「あ〜。したら、『あのでかい人?』って言ってたよ」
「それって、山田君ですか?」
「そうなんだよ。別のお姉ちゃんが、山田君と勘違いしてた」
「え〜!?まずいじゃないですか」
「山田君もそこを心配してたんで、そこはちゃんと説明しておいたよ。吉田栄作さん似のイカしたヤツって」
「え〜!?」
「ぽっとしてたよ」
「ありがとうございます」
「おいおい。この先あるかはわかんないよ」
「大丈夫です。任せてください。一線越えませんから」
「いや、いいんじゃね。自己責任でやれる分なら」
「いや。そんな綱渡りは。ぎりぎりの線で」
「そうね。ハラハラドキドキ。ドラマみたいだね」
「はい。何と言っても、吉田栄作ですから」
本日の登場人物
栄ちゃん。「いいの?さぼっちゃって」「いえ、サボりじゃないですから。有休ですから」「流石、支店長」 |
私。「今日も1日長いよ。一昨日もプール行ちゃったし」「すいません」 |
「栄ちゃん見てよ。誰もいないよ」
「朝もやが凄いですね」
「釣れる合図だね」
「ほんとですか?」
「そんなこともあった」
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「来たよ、栄ちゃん」
「はい、35cmと31cm」
「どうも、今日はこのルアーがいいみたい」
「何ですか?」
「ラッキークラフトの利根スプラッシュ。
これをネチネチやってると、ゴボって来るんだよ」
「そんな色、見たことないんですけど」
「あ〜塗り替えたからね。ぼろぼろになちゃったんで」
「あそこ、投げてみてよ」
「はい」
ピローン。チャポ。カチカチ。ガバ。
「お、出た。けど、消えてない。お、栄ちゃん、冷静だね。そのまま誘っちゃえば」
カチカチカチカチ。ガバッ!
「フン!」
「おいおい、絵に描いたようなびっくりアワセじゃん」
「あ〜やっちゃいました〜」
「残念でした」
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あとがき
「お疲れ様でした」
「残念だったね、惜しかったね」
「いえ。楽しかったです。あとは陸っぱりで修行してきます」
「そこだよ、修行もさ。テーマを持ってやらないと。イメージが大事だからね」
「はい。この状況なら、あの穴に入れてとか、そういうことですね」
「それそれ。お姉さんじゃないからね」
「社長、僕は一線を越えませんから」
「ほんとかね。過去の栄ちゃんを見てると、そう思えないだけど」
「何言ってるんですか、20年ですよ」
「なるほど。そんなになる?」
「はい。そうですよ。今日は、外し方も教えて貰ったんで良かったです」
「なんだよ、急にマジになっちゃうの?」
「はい」
「リールも問題だよね」
「はい、自分もそう思いました。事情があって、友人から買ったんですけど、苦戦中です」
「2500Cに戻した方がいいよ」
「はい、そうします。今日はありがとうございました。帰りは飯おごります」
「お、オレが勝者で、いいわけ?」
「はい、もちろんです」
「なるほど。今季の船はこれで終わりだ。あとはお姉さんの話、楽しみにしてるよ」
「いえ。まだつながってませんから」
「そっか。また、言っておくよ」
「はい、そっちもお願いします」
「果たして、どうなるのか、楽しみにしていいのか?また次回〜」
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