下見その2 in 鬼牧川(2011.09.12)
「こんにちわ、いよいよですね」
「いらっしゃい。先週と全く同じしぇべりだね、山田君」
「ええ。釣りますよ」
「今からはりきってどうするのよ」
「うぉっほっほっほっほ。そのとおり。で、どんな面子で?」
「不動の3人だね」
「え!金井君と自分と社長ですか?」
「さようでございます」
「ということは、時間もまったく一緒で」
「だね。俺の場合は、本番はないので、今回が本番みたいなもんだよ」
「まあまあ、当日はレッドキング可愛がってくださいよ」
「ガォーガォーってか」
「ええ。そんな感じでいいと思いますよ」
「もしくは、俳優のムサカさんに成りきってもらう?」
「ええ。それもありですよ。マジで似てますから」
「ってことは、ムサカさんもレッドキング似ってこと?」
「いえいえ。正面はムサカさん、横顔がレッドキングですよ。自分で言ってたじゃないですか、『横向け』って」
「そうであった。じゃあ、金井君に連絡よろしく」
本日の登場人物
山田君。「釣りますよ。金井君の独走は許しませんから」「まあ微妙だね」 |
金井君。「だってよ」「いいんじゃないですか」 |
私。「ほら〜言うのはタダ的な感じだよ」「ええ。釣りますよ」 |
「お〜ちょっと水は落ちきってないけど。ねえ、山田君」
「ええ、社長。濁ってますよ」
「まったくね。どうなの、金井君」
「はい、下りましょう」
「もしかして、操船はまたオレ?」
「はい、来週できませんから、今日やっておいた方がいいですよ」
「うまい。うぉっほっほっほっほ。流石だね、金井君」
「は〜い。じゃあ下りるよ」
「1投目は自慢のトレジュだよ」
「うぉ!社長」
「いきなり出たね、山田君。相変わらずノリもせず」
「今日はポッパーですね。自分はこれでいきますよ。うぉっほっほっほっほ」
「それ!?やる気があるとは、とても思えないんだけど」
「いや、でますよ。ザウルスのアンクルチューバ」
「無理だと思うけど」
「うぉ!出ましたよ。のりましたよ」
「網いりますか?山田さん」
「アミアミアミ、早く早く、早くして、金井君」
「はい。37cmです。大騒ぎした割には、微妙な感じですけど」
「何言ってるの、綺麗ないいバスじゃない、ねえ社長」
「お〜し、釣るぞ」
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「お!」
「あれ!?ナニ、金井君釣ってるの?」
「来ました〜」
「あ〜ミート君のサイズだね」
「肉?」
「そう、肉。つまり29」
「面倒くさいね、山田君」
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「やっべ。俺も釣らねえと」
「なんだかんだで、社長が一番アタリがありましたよ」
「そうなんだよ。その割りにのらない」
「で、サイズダウンでPOPXですか?」
「そうです。正解です。お〜来た。なんか、すげえ引く」
「でかそうじゃないですか」
「と思ったら、意外にこぶりな36cm」
「お、危ない。惜しかったですね、社長」
「そんな余裕こいてると、お!ほら、また釣れた」
「惜しいですね、30cmです」
「チェ〜やっとのったのにな、トレジュ」
「社長、ちょっと用足しに」
「あ、大ですか」
「ええ、そんな感じで」
「まあ、ごゆっくり。毎週だよね、金井君」
「はい。そういう体質なんですね。月曜日は野で大」
「ははははは。まったくだ。あれ!?そこの杭投げてみっか」
「陸っぱりで十分な距離ですよね」
「ねえ〜。十分どころか、岸から3mも離れてない。1本づつ狙ってみるか」
ピューン。チャパ。パコン。パコン。パコン。
「う〜ん。あれ〜ダメか。山田君、来ないね」
ガバッ!
「げっ!勝手にのってる」
「すごいですね、トレジュ。27cmです」
「ルアーは凄いんだけど、魚のサイズはいまいち」
「お待たせしました」
「山田君、遅いから、そこで1匹釣ったよ」
「え!その目の前ですか?」
「目の前。まだいるでしょ」
ピューン。チャパ。
「あ!出た。気がする」
「マジですか?付いてます?」
「いた。小っちぇ〜」
「社長、測りましょう」
「測れないだろ」
「ご安心ください。12cmから測れますから。もう少しありそうですよ」
「お、14cm」
「やりましたね、久々に」
「なかなか、脱小物釣り師宣言はできないね」
「うぉっほっほっほっほ。勝者です」
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あとがき
「お疲れ様でしたね、社長、金井君」
「ほんとお疲れだよ。ヘロヘロ」
「そんなにですか?」
「そんなにだよ。この流れの中、1日操船させられちゃって」
「うぉっほっほっほっほ。帰りの運転もお願いしますよ」
「はい。任せてくださいな。どうせ寝るんでしょ」
「失敬な」
「失敬はどっちだよ。毎週毎週。ねえ、金井君」
「ほんとですよ」
「あれ、金井君まで便乗して。ナニ?」
「須田さん、勝利おめでとうございます」
「うぉっほっほっほっほっほ。ありがとう」
「勝因は、あんまりルアーを変えないことですか?」
「何言ってるの?効率良くってことだよ。それに今日の勝因は、社長の見た夢の話が良かったから、ねえ?」
「あ〜、それで力が抜けたわけですか?」
「うぉっほっほっほっほっほ。トレンチコート着て、バス釣りだよ、金井君」
「おかしいですね」
「おかしいよ。トレンチコート着てるわ、忍者学校の生徒は出てくるわ。おまけにピンクロータ型手榴弾まで出てきちゃうんだよ、社長の夢」
「はい。釣り場に着く前に、廃校で昼寝までしてたんでしょ?」
「そうなんだよ。我ながら、なんて恥ずかしい夢なんだろう」
「社長、何でトレンチコートなんですか?」
「まあ、山田君と言えば、トレンチコートってことだよ。次回から頼むよ」
「じゃあ、買いに行かなければなりませんね」
「あ、来週、敗者の証をもらえばいいじゃないですか。大下さんが持ち回りにしようって、金色のガウンを持って来ますから」
「え!?金井君、ってことは最下位ってこと?」
「はい。そう〜なりますかね」
「いいじゃない、ある意味、勝者だよ」
「あ〜そう言われると、悪い気はしないですね。でも、狙えませんけど」
「狙えるよ」
「え!?どうすれば?」
「簡単だよ、釣らなきゃいいんだよ」
「うぉっほっほっほっほ。釣りますよ」
「果たして、山田君に釣れる肴がいるのか、来週をお楽しみに」
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