釣り難民 in 小鮒川(2011.08.01)

「こんにちわ。困りましたね。この間の大雨は」
「いらっしゃいませェ〜」
「社長、サブは今、出向中ですよ、太田店に」
「そうだった。弱ったね。どこも洪水並み」
「ええ。今行ったら、新聞に載りますよ」
「『でへへへへ』ってか」
「ええ。行きませんよ。彼みたいには」
「困ったね。候補としては、桧原湖か加賀フィッシング」
「お!いいじゃないですか、桧原湖。風光明媚で。ハイレグもんですよね」
「あ〜山田君、いないよ。水泳場じゃないんだから」
「あ、そうすか」
「と、思ってたんだけど、さっきのニュースで福島はヒドイことになっている」
「あ〜そうでした。無理でした」
「いよいよ、加賀?」
「いえ。それでは金井君が行かないですよ」
「だよな。お!ワイパーからメールだ」
「何ですって?」
「これ」
「あれ!?」
「ちゃっかり小鮒川だって。ちょっと濁りが入りつつあるものの、好調だって」
「じゃ、決定じゃないですか。今年、行ってないし」
「問題は金井君だな」
「ええ」
「よし。タナゴをのぞきつつ小鮒。名付けて、オペレーション・カケモーチ」
「そんまんまじゃないですか。でも、いいと思いますよ」
「じゃあ、そのオペレーションについて、山田君が金井君に連絡してよ」
「あ、わかりました」

「もしも〜し」
「あら、部長。こんにちわ」
「月曜日は行かれるんでしょうか?」
「行きますよ。バスフィッシング」
「あ〜」
「何?」
「乗れたらな〜」
「何に?」
「いえ、船に」
「あ〜ん!?」
「いや、行きたいな〜っと」
「何だよ、はっきり言えよ」
「釣りに行きたいということす」
「あ〜休みなの?大丈夫だよ、乗れるよ。山田君と3人で」
「じゃあお願いします」
「現地に4時半だから、合わせて来てくれれば」
「送迎ですか?」
「い〜や。絶対にしない。先週だって、『運転は任せてくださいよ』って言ってて、爆睡だよ」
「あははははは。相変わらずですね」
「全く」
「じゃあ、お願いします」

本日の登場人物

金井君。「ここも1年ぶりです」「え、また48?」

ハルオ君。「ご無沙汰してます」「それほど、じゃないでしょ。ねえ、山田君」

山田君。「ええ。ぼちぼちですよ」「釣りますか?」「もちろん、釣りますよ」

部長。「実は、海水浴が延期になりまして」「あ〜新潟じゃあね」

私。「ここは楽しみなんだな。部長もいるし」「え!?え!?何ですか?」

「寒いね」
「はい。社長。真夏ですからね、格好が」
「かっぱ着るよ」

「濁ってない?」
「ええ。メチャクチャ」
「お2人は寒くないの?」
「まだ、大丈夫です」

「全く、何もないね」
「ええ。魚っ気、全然ないんですけど」
「夏とは思えない感じだよね」
「ええ。あそこで少し休みませんか?」

「どう?」
「全然です」
「ワイパーに騙されました」
「ハルオ君は?」
「はい、ちょっと冷えたんで、体操してます」
「山田君もやれば?」
「何ででですか?」
「ここで好印象をうっておいて、無事就職ってのはどう?」
「何がですか?ハルオ君ちにですか?」
「そうだよ」
「どうかな、ハルオ君?」
「はい。考えてみます」
「良かったじゃない、山田君。じゃあ、俺は寝るから。部長、操船」

「あ〜良く寝た」
「いや。社長、大して寝てないですよ。今度は自分が寝ますから」
「社長、シンキングペンシルやりますか?」
「お!部長、察しがいいね。やるよ。ここの楽しみだからね」

「やたら、アタルんだけど」
「ギルギルいいながら、社長は6匹釣りましたよ」
「去年もそうだったね」
「17cmからはじまって、42cmまで」
「ね〜。だから、陸っぱりの人とか、トーナメントの人とかが多いんだね。魚多いよ」

「じゃあ、自分達は対岸に行きます」
「あいよ。ほんとはさ〜向う側行きたかったんだよ」
「そうですね。やってませんから」
「ね〜。でも、風当たりなんだよ」
「ええ。確かに」
「操船が大変じゃない?」
「たぶん」
「あ〜山田君でもわかるでしょ」
「ええ」
「そうすると、部長が根をあげて、俺が操船になるだろう」
「なるほど。深いですね」
「これはオペレーション・カケモーチの一環なんだな」
「ホントですか?」
「あれ!?金井君釣ってるよ。ここから見ても、でかいよ」

「48です」
「マジで。また…ルアーは何?金井君」
「はい、山田君おすすめのアドニス・クラッパーです」
「う〜ん。社長、明日買いに行きます」
「勝者、決定」

あとがき
「お疲れ。凄いね、金井君」
「はい。ちょっとのってます。朝、タナゴ川に着いたときは、大増水でびっくりしましたけど」
「だよね。連絡貰って、急遽小鮒に来たわけだね、山田君」
「ええ。社長の作戦通りじゃないですか」
「オペレーション・カケモーチ、見事ですね。楽しかった、俺」
「ええ。社長と金井君だけですよ、楽しかったのは」
「そんなことないでしょ。みんな楽しそうだったよ」
「ええ。モチロンそうです。欲を言えばですよ。魚が」
「確かに。まあ、ここに来たらさ、シンキングペンシルは毎度のことじゃん」
「今日の状況では、仕方ないですか」
「そうだよ。マッチャッチャで風ビュンビュンで寒い」
「ええ。ホントですよ。まあ楽しかったんで」
「じゃあ、良かった。部長、お疲れでした。帰りも俺が運転するから」
「ありがとうございます。食事は?」
「どうする?連勝の金井君」
「じゃあ、サブで」
「了解」
「社長、運転辛くなったら、いつでも言ってください。代わりますから」
「あそう。まずコンビニ行って、ゴミ捨ててアイス食べて、帰るとしよう」

「何だよ、この人。コンビニ出て、5分だよ。あ〜山田君、寝ててくれてもいいですよ」
「あ〜まだそういうモードではないので、大丈夫ですよ」

「あれから10分経ちました。みなさ〜ん、山田君は既に爆睡中です。こんなヤツです。皆さん、また来週〜」


戻る

Copyright (c) 2011 WATANABE COMPANY. All rights reserved.
inserted by FC2 system