たまにはこの辺で in 鬼牧川(2011.07.25)

「もしもし。あ、柳沢です。行きますよ、月曜日」
「やあ。元気だね。相変わらず。若さがうらやましいよ」
「いやいやいやいや。社長ほどではないですよ。そんな55歳見たことないですから」
「ちょっと待て。まだ、54歳だよ、今の段階では」
「あれ!?そうでしたっけ」
「そうだよ。正式には7月30日だよ」
「あははははは。秒読みじゃないですか」
「まあね。ここまで来れば、いくつでもいいよ」
「で、月曜日、違うところ行きましょうよ」
「どこ?」
「灼熱ポイント」
「お〜!ちょっと早いけど、行ってみる?」
「ええ。金井さんとも相談した結果、そんな感じなんですけど」
「こっちは例によって、山田君だから、どこでも大丈夫だよ」
「あ〜寝てばっかりだから」
「正解です。ホント見かけ倒し」
「あはははははは。何時ですか?」
「現地に4時20分」
「じゃ、お願いします」

「こんにちわ。社長、何か涼しくないですか?」
「いらっしゃいませェ〜」
「社長、サブじゃないんですから、やめてください」
「わかってくれた。嬉しいよ」
「どうなんですか、月曜日は」
「久々の鬼牧川、灼熱ポイント」
「あ〜お盆の前に、下見ですか?」
「う〜ん。と、いうよりも、気分転換」
「なるほど。いいじゃないですか。で、何時ですか?」
「現地に4時20分だから、そのつもりで来てください」
「了解致しました」

本日の登場人物

金井君。「1年ぶりですよ、ここは」「昔は開幕と言えば、ここだったよね」

柳沢君。「先々週、一人で来ました」「釣れたの?」「ええ。3匹」

山田君。「うぉっほっほっほっほ。久しぶりですよ」「順番から行くと、山田君勝者の日なんだけど」「釣りますよ。義弟もいることだし」

私。「まあ、ありえないこと…かな」「い〜え。釣りますよ」

「ヤナギ、操船しろよ」
「え〜!?金井さん、してよ」
「あ〜君たち。俺はうらやましいよ。その会話」
「あははははは。そうですね、社長の場合、有無を言わせず操船になっちゃってますね」
「山田君、たまにはしてあげればいいじゃないですか」
「あ、金井君。須田だから。それに今日は体調悪いんで、操船ひかえておこうかと」
「あはははははは。マジですか、義兄さん」
「こんな人だよ、山田君は。皆の衆。で、どうする?」
「自分たちは下ります」
「じゃ山田君。ちょろっと下りて上るか」
「ええ、そうしましょう。上は相性がいいんで」

「社長、来ました。結構引きます」
「対岸に投げたのね。そこはUターンしてから、やろうと思ってたんだよ。ばらさないで」
「ばれました」
「もうかよ。お!出た。のらない」
「あ、こっちも出た。でも、のらない」
「う〜ん。小さいんだな。ってことは、これだ。コアユ」
ピューン。ペシ。ヒュンヒュン。シャパ。
「来た。やっぱこれだ」
「そのサイズですか?」
「そうこのサイズ。見て、山田君」
「あ〜それは厳しいですね」
「イテ」
ピューン。ポチャ。
「あ〜あ、背びれ刺さって、落としたら、川の中」
「ええ。一応確認しまたよ。15cm」
「ええ!?20はあったでしょ?」
「いえ、社長。15cmがいいとこですよ」
「はいはい。わかりました」

「そのあと、全くアタリがありませんね」
「そうね。眠いよ。寝るか?8時ちょっとだけど」
「いえ。9時までは寝るわけには」
「あ、何?早朝デリの予約?」
「こっからはしませんよ。新たな職を求め、履歴書を送るべく、その会社に電話するわけですよ」
「は〜。こっから」
「ええ。今日が募集初日なんで。1番で電話しないと」
「じゃあ、それまで操船したりしないの?」
「ええ。そういうところに体力使うと、途中でとちるじゃないですか」
「あ。は、そうですか。俺もそこまで付き合うわけだ」
「ええ。是非」
「じゃ、金井君にでも電話してみてよ」
「さっきから、やってるんですけど、全然出ません」
「あ、ヤナギから電話だ。『何、8時に金井君寝た』だそうですよ」
「え!ヤナギは?」
「ノーバイトだそうです」

「いいなぁ、金井君」

「山田君、間もなく9時だよ」
「ええ。わかってはいるんですが…」
「あ〜。鳥?」
「ええ。ウグイスやらカッコウやらカラスやらが」
「いいじゃん。『バイト中です』って言えば」
「ええ。そのつもりですよ」
「もしもし。募集の案内を見て、電話したものですが」
ケキョケキョ。
「う〜笑ってしまう…」
ホーホケキョ。
「う〜笑ってしまう…」
カッコウカッコウ。
「はい。製造の方が希望なんですが。あ、はい。そうです。わかりました。○○様宛ですね」
カーカー。
「う〜ダメだ。ぶははははは」
「あ、はい。わかりました。ありがとうございます。はい、失礼します。社長〜!
「すまん。こらえ切れなかった。良かったじゃん、のどかな雰囲気が伝わって」
「ええ。好印象だと思いますよ」
「じゃあ、そこで寝るかい?日陰だし」
「ええ。そうしましょう」

「金井さん、起きないの?」
「う〜ん。竹やぶか。やるかな」
ピューン。チャポ。
「あれ!?お!食った。でかい!」
「金井さん、ずるい。いきなり、それ!?48だよ」
「竹にひっかかったトンボルアーを、バスが見に来て、釣られた感じ」
「ずるい!」

「あ〜山田君、金井君たちも来たよ。終了?」
「そうですね」
「よう!釣れたの?」
「ええ。金井さんが48です。自分はノーバイト」
「残念だね、敗者は義兄弟に決定!」
「いえ、社長。まだ決定ではありませんよ。下りがありますから」
「左様ですか。頑張っておくんなさい。眠いよ」
「あんなに寝たじゃないですか?」
「じゃあ疲れた」
「ええ。帰りの運転は任せてくださいよ」
「飯はどうする。勝者の金井君?」
「あれ!?自分に決定ですか?」
「決定だろう。48じゃあ。敗者が誰か、だね」
「じゃあ、サブで」
「お2人、頑張ってね。義兄弟」
「ええ。まだ正式には決定してないんですけどね、義兄弟は」
「だいたい、会ったこともないんでしょ?」
「ええ」
「だから、電話番号を教えるって言ってるじゃないですか」
「え〜!?いきなり、電話するのもさ…」
「いいじゃん。いつものデリ調で」
「社長、そういう話は答える必要がないですね」
「そう。じゃあ、また来週〜」
「いえいえいえいえ。まだ終わってないから」
「よし、全開で下りるよ。山田君」
「わかりました。たまに投げます」

あとがき
「お疲れ。今日も頑張りました」
「ええ。疲れましたよ」
「え!?何で?」
「ええ。とても」
「結局、あのあと、山田君にいいバイトがあったけど、のらずで」
「ええ。それっきりでした」

「着いたよ。サブ店の店」
「あ、メニュー変わってますよ」
「夏らしいね。じゃあ、これで」
ワイワイガヤガヤ。
「来るまで、山田君の股間でも撮っておきますか」
「いいんじゃないの」
「うまいね、新メニューも」
「え!?山田君のは何?」
「厚切り牛タン定食ですよ。ヤナギも同じです」
「はい。歯ごたえ十分で。まさに厚切りです」
「は〜定食って定職?」
「ええ。まだですよ。カッコウが鳴きましたから」
「いや、大丈夫だよ。のどかだなぁって、この人は何をしているんだろうと」
「ええ。好印象ですよ」
「この続きをお楽しみに。また来週〜」


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