釣り難民2 in 畑野川(2010.08.02)

「こんばんわ」
「よう、いらっしゃい。マグロ解体ショー専属職人のペー・ヨン」
「長く…ないですか?」
「そうだね。じゃあ、ペー」
「え〜。またそれですか…」
「じゃ、ペ」
「短過ぎますよ」
「なんだい、今日は?」
「またまた。月曜日ですよ」
「あ〜そうかそうか。金井君と2人だね」
「はい。社長は?」
「山田君と2人」
「4人ですか」
「そうだね。船はペーヨンと俺だから」
「はい。たまにはいいですね」
「おめえ、足引っ張るなよな。いつも山田君にやられているから」
「はい。予定では」
「で、今日はそれに備えてお買い物?」
「はい。先月も無事売り上げ達成したんで、ガンガン行きますよ」
「流石。敏腕マネージャーがいる店は違うね」
「はい。もう余裕の顔してましたから。それに柳澤さんも『藤江さんに任しておけば大丈夫だから』って言ってました」
「だろう。『じゃなきゃ、あんな濁った目にならないよ』って山田君が言ってたよ」
「あはははは。本人には言えないですね」
「じゃあ現地に4時20分って、金井番長に伝えておいて」
「はい。大丈夫です」

本日の登場人物

ペー・ヨン。「釣れますかね?」「無理だね。邪魔するから」

金井君。「前情報によると調子良さそうですけど」「う〜ん」

山田君。「釣りますよ」「はいはい」

私。「久々なんだけど、ここは」「ええ。アッキーと来て以来ですよ」

「風強くない?」
「はい。結構吹いてますよね」
「金井君たち、先に下りちゃっていいよ。で、左側ね。そっちの方が調子いいよ」
「いいんですか、社長。釣っちゃいますよ、社長」
「そ・れ・は・金井君でしょ」
「うぉっほっほっほ。釣りますよ。金井君、早くね」

「来ました。久々。40アップは八郎以来です」
「金井君、41あるんだけど」
「はい。嬉しいです。須田さんも早く釣ってください」

「カトチャン。この辺りからアタリがあると思うんだけど」
「え〜。さっきもそんなこと言ってましたよ」
「だよな。でも、あそこのヘラ台なんていけそうじゃない」
「あ〜ちょっと入り組んでますね」
「おりゃ。ほら、来た。やっぱりいたよ」
「35cmですか。ルアーは?」
「あんまり飛ばない利根スプラッシュ。
八郎でも釣れたんだよね、これ」
「自分も持ってますよ。社長に勧められて」
「じゃあ、投げりゃあいいじゃん、それ」
「はい。投げます」
ビューン。ポチャ。
「そこかよ。同じとこじゃん」
ジャッジャッ。ガバッ!
「あ、出た。あ〜っびっくりアワセ。
どうしたの、ペー?」
「まさか出るとは思いませんでした」

「おっ!あ〜見逃した。カトチャンのルアー見てたら」
「残念でしたね」
「じゃあ、もう一回投げてみっか。あっ!ルアーが消えない」
「流石にびっくりしませんね」
まあ〜ね〜。もう一回。うりゃ」
ガバッ。
「お〜遂にのりました。やる気満々なヤツ。3回目です」
「やる気満々の割には、ちっちゃくないですか?」
「反対だよ。ちっちゃいから、やる気満々なんだよ。好奇心旺盛だし」

「あ、来た。社長、来ました〜」
「うるさえなぁ。魚が違うだろ」
「え、違うんですか」
「良く見ろよ。ひょろ長いだろ」
「あ、え!?これってナマズ?」
「だね。よその国の。持って帰って食べなよ」
「え、あんまり。見た目が…」
「たわけ!アメリカの方々は
毎日のように食べているんだよ。南部では」
「そうなんですか。う〜ん」

「暑くないですか?」
「暑いよ。水4L飲んだよ」
「そんなにですか、金井さん」
「あ〜山田君だけね〜」

あとがき
「情報とは違ったね」
「はい。ちょっと厳しかったです」
「やっぱ。風じゃないの。朝から結構吹いてたし」
「はい。というか、社長。スッゴイ焼けてますね」
「そうなんだよ。橋の下で寝たんだよ」
「あ〜。日陰は風が通って、涼しいでしょう?」
「そう。気持ち良かった。ところが、寝ないでルアー投げているヤツがいて」
「あ〜。ペーですね」
「そいつ。そいつがいきなり引っ掛けて、ガッサガッサやっているうちに船が動いたらしい」
「わかりました。気が付けば、日向ですか?」
「正解。山田君のタックルボックスを物色してください」
「やった」ガサゴソガサゴソ。
「あ〜何やってるの、金井君」
「先週もその前も正解したんで、今日こそはなにか頂かないと」
「いいから。そういうことはしなくて。ペー、し〜ばらくやってたよね、ガッサガッサ」
「はい。社長が寝て、いきなり引っ掛けちゃって参りました」
「あまりの暑さに目を覚ましたら、この野郎は竿を持ったまま寝てやがった」
「はい。『起きぬけですいません』って、お願いしたんですよ。『ルアーが引っかかっちゃって』って」
「こっちは、日向にいたもんで、頭ガンガンだったんだよ。半熱中症って感じ。慌てて水飲んだよ」
「うまそうに飲んでましたよね、水」
「だろう。家でボルビックを凍らせてきたんだよ。ちょうど飲み頃。タオルも凍らせておいたんで、『きもちい〜』って感じ」
「社長、本日の勝者は金井君ですね。敗者はぺーですね」
「え!?山田君じゃないの?」
「い〜え。ペーは減点フィッシュですから」
「い〜や、貴重だよ。トップウォーターで、あんなの釣ったの初めてみたよ」
「来週もここですか?」
「だね」
「わ・か・り・ま・し・た。来週も参加で」
「来週は勝手に来てね。お出迎えは大変だよ」
「うぉっほっほっほっほ。そうおっしゃらず」
「うぉっほっほっほっほ。また来週〜」


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