あれじゃあ、終われない in 鬼牧川(2009.11.16)

「こ・ん・に・ち・わ」
「いらっしゃい、山田君」
「山田じゃないですけど。社長」
「いいじゃん、山田君で。世間の人はみんな山田君だと思ってるし」
「そうですか、困りますね」
「ときに、なによう？」
「実はですね、先週は不完全燃焼だったじゃないですか」
「釣りね。俺は３回出たから、別にいいけど」
「いやいや。僕らは寒過ぎで釣りできてませんから」
「だから、ラーメン食べたじゃん。スープも飲んだし」
「あれはうまかったですね。いやいや、そうじゃなくて、釣りですよ」
「１６日かい？１７日に柳沢君も行きたいって言ってたよ。俺は連休だし」
「じゃ、決まりですね。１６日は自分と社長と元アイドルの矢嶋君」
「ははは。アイドルかよ。今はコンビニ兄ちゃんに付け狙われてる矢嶋君」
「そう。あの彼は、社長、本物ですよ。受身タイプです」
「さ・す・が、両刀使いの山田君」
「社長。違いますよ。時間はいつも通りでいいですか？」
「あっ！やっぱり決まりなの？」
「はい。決定です」
「しょうがないね。じゃあ頑張ろ～う」

本日の登場人物

山田君。「今日からまたレース再開？」「そうですよ。釣りますよ」

矢嶋君。「ここんところ、いまいち？」「はい。ちょっと出が悪いです」

私。「今日もガイドで～す。お湯沸かしま～す」

「あっれ！？水が多いですよ。社長」
「はい。想定内です。なあ、矢嶋君」
「はい。だいぶ降りましたから」
「よし。ちょい下りぃの一路上流」

「反応ないですね」
「ねえ。本当だね。コーヒーでも飲みますか」
「社長。ずいぶん早いですね。もうですか？」
「そう。牛」
「…」
「あ！牛。『も～う』ね。矢嶋君、もっと機転を効かせなきゃダメだよ。
コンビニ兄ちゃんのこと忘れなきゃ」
「いえ、それは。違います」
「何が違うの？今朝も兄ちゃんと盛り上がってたじゃん」
「いえ。そんなことは」
「おっ。出来たよ、コーヒー」
「あ、すいませんね。社長」
「なんの、なんの、野際陽子」
「何ですか、それ。何にもかぶってませんけど」
「かぶってるよ～。『の』は」
「それに矢嶋君知らないだろ」
「はい。ちょっと難しかったです」
「そうかい。それは残念。もぐもぐ、ごく」
「社長。また、食べてんですか。今日は飛ばしてますね」
「そう。パン食べてる。コーヒーのみつつ。本日はブルマンです。ブルマーではありません」
「お、いいっすね。ブルマー」
「あれ。興味ある？何なら娘の持ってくるよ」
「いや。社長。いいですよ。危ないですよ」
「おっ！出た！みたい」
「出たんですか？」
「そんな気がしたでもない」
「釣りますよ。これから。コーヒー飲んでる場合じゃないです。うぉっほっほっほ」
「あれ、社長。先行者がいますけど」
「うう、ハンドコン一騎掛けだなあ。誰だ」
「誰ですかね。まあのんびり行きましょう」

「えい！ありゃ！？」
ドボン
「痛」
「ゴメン、矢嶋君。手が滑って竿投げちゃったよ。弾みでルアーが矢嶋君に当たったけど、大丈夫？」
「あ、はい。それより竿が沈んじゃいましたけど」
「ヤベ。そのルアーを手繰ろう」
わっせわっせ
「社長。６０ｍ以上あるんじゃないですか」
「そうなんだよ。６５ｍ。あ～やっと終わった」
「リールは大丈夫なんですか？」
「う～ん、ちょっと油抜けた感が」
「ですよね。それにしてもアタリありませんね」
「全くだね。もぐもぐ。ごきゅごきゅ」
「社長。またですか？」
「そう、おにぎり５個目」
「快調ですね」
「お～！また出たみたいな気がする」
「しょぼかったですね、今の」
「だね～。これで終わりだな。じゃあラーメンでも食べる？」
「あ～いいですね」

あとがき
「お疲れ～」
「お疲れ様でした。全くアタリがありませんでしたね」
「全く。いよいよ終わりか。明日も微妙だよ」
ピロリロリーン
「よう、柳沢君。明日は厳しいよ。雨だし」
「ノーバイですか？」
「完璧な。明日は管釣りの方がいいと思うよ」
「じゃあ、明日は中止にしますか」
「だね」
「社長。時間ちょっと早いですけど、ファミレスでも行きませんか？」
「まだ食うの？あんだけ食べて」
「いえいえ。自分は大して食べてませんよ。社長とは違います」
「そうかな。ちなみにパン１個、おにぎり８個、てんぷらそば１つ、コーヒー３杯、お茶５００ｍｌを２本。食ったね～」
「ほんとですね。どこに入るんですか」
「だよね、矢嶋君。俺は燃費悪いんだよ」
「じゃあ、社長。ファミレスで」
「いやいや、その前にアイスを食わねば」
「社長。もう１回行きましょうよ」
「え～！？まだ行くの？」
「はい。自分も行きます」
「だそうなので、次回もお楽しみに～」
「うぉっほっほっほ、釣りますよ」