トンビの恩返しその3 in 鬼牧川(2009.06.08)
「もしもし。須田です」
「こんにちわ。山田君」
「いや、山田じゃないですけどね。月曜日お願いしますよ」
「え!春日部のホテル?」
「そういうプライベートな話は言えませんよ、うぉっほっほっほっほ」
「何をいまさら。散々言ってたじゃん」
「それはさておき、どうですか?」
「あ〜釣りね。行くよ。俺とラッキーボーイ矢嶋君にミミ先輩とヤナギだよ」
「いやいやいや。自分が入ってないじゃないですか。お願いしますよ。トンビの恩返しが今日こそありますから」
「はい〜!?俺にも矢嶋君にもあったし、山田君にもあったじゃん」
「いや。それは…釣ってはいないんで…」
「それは山田君がいけない。あんなにアタリがあったのに、ことごとくバラシ」
「ええ。なので、今度こそというわけですよ」
「どうかね、それは。まあそんなに言うんじゃ、行かないでもない」
「ええ。是非お願いします」
「…だってよ、金井君」
「はあ〜いまさらとは思いますけど。自分的には違うところに行きたいんですけど」
「いいんじゃねえ、それで」
「じゃあ、現地に4時で」
「OッK牧場〜」
「あれ!?ヤナギもミミも来てるよ。よう!早いね」
「おはようございます。ちょっと水が多いんですよ」
「濁りは?」
「濁ってます。めちゃめちゃ」
「は〜。ダメだろ、こりゃ」
「はい、先乗りしてた店のお客さんも移動するって行ってましたよ」
「そういやそうだね。どこ行くんだろう?」
「それより、こっちはどうします?」
「え〜。決まってんじゃん。ラッキーボーイの矢嶋君が釣ったとこだよ」
「あ〜いいですね。ちょっと距離ありますけど」
「だね。あそこなら山田君でも釣れるだろう」
「うぉっほっほっほ。そんなにテクニカルなとこなんですね」
「うぉっほっほっほ。それは大きな勘違い。とにかく移動〜」
「あ〜着いたね。雨は気にならないけど、風びゅんびゅんだね」
「はい。こりゃあ無理ですね」
「どうする?山田君がうるさいんで、俺たちは鬼牧川に行くけど」
「どうする、ヤナギ〜?」
「来週、遠征ですから。今日は帰ります」
「あ、そ、じゃあ気をつけてね」
「はい、お疲れ様でした」
「今日はドライブだね、山田君?」
「うぉっほっほっほ。山田じゃないですけど、釣りますよ」
「やるの?」
「やるでしょう、これだったら。雨は止んでるし、風はそんなでもないし」
「よし、矢嶋君。戦闘開始だってよ」
「あ、はい」
「おっ〜でか。でかかったね、今のは。矢嶋君」
「あ、はい。回収途中だったんで、ノリもしませんでした」
「お〜出ました。あ、ばれました」
「またぁ!?折角の恩返しも…なあ、矢嶋君」
「あ、はい」
「うぉほっほっほっほ。次は大丈夫ですよ」
「何だよ。俺だけアタリがないね。おりゃぁ〜。あれ!バックラッシュだよ。あ〜あ」
せっせっせ(バックラッシュ直し中の効果音)せっせっせ。
「おっ!出た。バックラッシュだけど巻いちゃう。乗ってる。よいしょよいしょ」
「釣れちゃったんですか?バックラッシュ中に」
「そう、これぞナチュラルドリフト」
「モノは言いようですね。うぉっほっほっほっほ。サイズは?」
「37cmだよ、山田君」
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「社長、何で釣ったんですか?」
「うぉっほっほっほ、山田君。やはりチャートでしょう。 ルアーは好調羽鳥さんのコッキービートルだよ」
「そんな古いの持ってきたんですか?」
「いやいや。これは何年か前に出た復刻版だよ」
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あとがき
「山田君〜、今日もやってくれたね」
「うぉっほっほっほっほ。山田じゃないですけど、やっちゃいました」
「5発のって、全バラシ。流石だね。折角の恩返しなのに」
「うぉっほっほっほ。全くですよ」
「ハリが小さいんじゃないの?だいたいさ、何もないとこなんだから、Wフックを反対向きにしちゃえばいいんだよ」
「お、そりゃあいいですね」
「俺もさ〜いなっちと行ったときに、同じことがあったんで、反対向けたんだよ」
「あ〜稲村さん言ってましたよ『社長はそのままブッシュにぶちこんだ』って」
「いいじゃねえかよ、ちゃんと出てきたんだから。思わず投げちゃったんだよね」
「今日は色が派手な方が良かったんでしょうか?」
「おっ!矢嶋君。気付いたね。こんなに濁ったときはチャートや白の暖色系なんだな。だからって、山田君じゃないんだから、男色とは違うよ」
「あ、はい」
「社長、お・と・こ・は興味ないですから。矢嶋君も『はい』じゃないから」
「あ、はい」
「自分もチャートに変えた途端に出たんですよ」
「で、結局使ったルアーは2個ね。で、全バラシ。めでたしめでたし。じゃあまた来週〜は八郎です。お楽しみに〜」
「社長。終わっちゃうんですか。自分も八郎行きたいんでけど」
「お〜それはいいね。待ってるから。駅からタクシーで来てね」
「社長。タ、タクシーってどこからですか」
「どこからって、どこでもいいよ。岩槻だって秋田だって琴丘だって。好きなとこにしなよ」
「そんなことおっしゃらず、8年前と同じように矢島さんと3人で行きましょうよ。運転は任せてくださいよ」
「運転なんかしたことないじゃん。寝てばっかで」
「うぉっほっほっほ。大丈夫ですよ、鍛えてますから」
「場所が違うだろ。下半身だけじゃん。あ、呼ぶのね、宿に」
「ち・が・い・ま・す・よ。来週をお楽しみに〜」
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