取材だよ。江波戸川その2(2008.09.01)

「こんにちわ」
「ありゃ、旦那。一人で珍しいね」
「ええ。ちょっと」
「は〜。雨続きで仕事にならない。でもぉ彼女は仕事」
「まあそんな感じです。月曜日は取材ですけど、どこにしますか?」
「はい〜!さっき電話したよ『さらに延ばしましょう』って言われた。これじゃあ、どうしょうもないもんね」
「ええっ!行かないんですか!?」
「どこへ?アウトレットでも行く?」
「社長とは行きません」
「まあそうだね。で、どちらへ?」
「あるじゃないですか、今季初のタナゴ川」
「小鮒じゃないの?」
「はい。ミミとヤナギからクレームが来まして。現地に4時30分に待ってますから」
「何で4時半なの?5時じゃないの。暗いよ」
「いいじゃないですか、早い方が」
「あ〜あ、また一人ぼっちか」

「ほら〜。真っ暗じゃん。それにやたら水が多いけど」
「ですね。水マッチャッチャくさいです」
「ここはヤナギのご指名だろう?」
「ええ。一応やりましょうよ」
「しょうがねえなあ。俺とヤナギ、旦那とミミでいいの?」
「その線で行きましょう」

「イテッ!」
「凄い勢いで飛んできましたよね、ルアーが」
「ヤナギ。見て見て。ほら」
「うわっ!痛くないんですか?」
「無痛症じゃないんだから、痛いよ」
「いえ。無痛症って話になってますけど。抜けるんですか?」
「おいおい、俺のフックは皆バーブレスだで。
取り敢えず写真撮っておこう」
「早く抜いた方がいいですよ。固まっちゃいますから。
自分は医者行って抜いてもらいましたから」
「ヤナギ。ビヨンビヨン伸びて抜けないんだけど…
出した方がいいの?」
「いやいやいやいや。抜くのは痛いですよ」
「そうなんだ。じゃあ、せーので抜いちゃおう」
「見てて気持ち悪いんですけど」
「どぉりゃぁ〜。イテッ!けど抜けた。何か肉片が付いてる」
「気持ち悪」
「ペンチでつぶしたバーブレスだから、気持ち残ってたんだね。
念のため、なめておくか。ペロペロ」
「まるでネコですね

ピロリロリン。「旦那からだ」
「どうですか?こっちはノーバイトです。ミミは寝てばかりです」
「釣ったよ」
「マジで!?」
「うん。1オレ」
「あ〜。自分を釣ったんですか。移動しませんか?」
「へい。即撤収!」

「移動して良かったですよ。
2匹釣りましたから。32と35」
「ほぉ〜。俺も釣ったよ。いっぱい」

2バラシのミミ。「どう?」
「スケートやってから来たんで眠いです」
「根津甚八なわけね。ヤナギはノーバイトだよ。頑張れ〜」
「気持ち悪いのを朝一に見せられて、調子悪いです」

「よっしゃ〜。ヤナギ来たで」
「太いですよね」
「でも38。ライフベイト2001年モデルだよ。
ぺラだけ新しいのに変えて持ってきた。
ぼろぼろなんだけどね」

「社長!来ました!!」
「ギルじゃん。そのルアーで!?」
「あ、これニセモノです。
高柳さんに作って貰いました。上手いですよね」

「じゃ〜ん。ヤナギ。
俺もギル釣りたいから、パックロッド持って来た。
今日は釣れるだろ」
「社長、バス釣んないでくださいね」
「任せなよ。おっ!コンコン来たよ。よっしゃ〜」
「社長、バスなんですけど」
「ありゃ!?6連荘バスだよ。おっ!今度はちょっといいよ」
「社長、ギルですけど」
「ヤナギ。19cmあるよ。どおりでな」

あとがき
「社長、楽しいそうですね」
「旦那もやるかい?」
「ちょっと貸してください。そんなにアタリがあるんですか?根がかりじゃなくて」
「やってみなよ」
「おっ!本当だ。コンコンしてる。あ、のらなかった。
はい。じゃあ、お返しします」
「あ、何か跳ねた」
ぴゅ〜ん。
「おっ!来た。ほら〜見事な小バスじゃん」
「上手いですね。じゃあ、ずっとやっててください」
「おっ!おっ!あ〜」
「社長、うるさいんですけど。静かにしてください」
「あ、すいません。あのさ〜、見た目、風景はあんまり変わらないでしょ。ところが違うんだな、水深が。あそこの背の高い植物のところはちょっと深いのよ。そこはいいとこに入れば、必ずアタル。低いところは、少し浅いんだよね。そのためか、沖の駆け上がりまで来ないとアタリがない」
「えっ!じゃあここ流しても、自分はダメですか?」
「たぶんね。もちろん時間も悪いとは思うけど」
「シェードですか?」
「あたり。と風もじゃない?全然ないよりは少しあった方がいいだろう。人間的にも」
「深いですね」
「そう。たまにアンダーウォーターの釣りをしていると分かるね。あそこの木の下に投げてみなよ」
「あそこですか?はい」
ぴゅーん。バチャ。クイクイ。
「そこで放置。で、ちょろ」
「あっ!見に来ましたね」
「な〜。ゆっくり回収。で、ルアーチェンジ」
ドボン。バシャ〜ン。
「はい。終了〜」
「ちょっと力んじゃいました」
「だんだんアクションが早くなってたの、分かった?」
「はい。後ろでバンバンはしゃいでいる人がいたんで、熱くなっちゃいました」
「そうだよね。そらそうだ。でもヤナギ上手いね」
「そうですか?マネージャーと行くと、ルアーがツッコンじゃうんですよ」
「無理ねえよ。うしろはポジションが近いもん。帰るか」

「金井さん、釣れたんですか?」
「いや。でも、ヤナギはギルだからマイナスだよ」
「え〜。自分が敗者ですか?」
「社長、久々の勝者ですね」
「だね。エッヘン!ヤナギ、運転は任せなさい。全然眠くないよ」
「だって、散々ワームで釣ったあと、寝てたじゃないですか」
「まあ〜ね。旦那もね」
「い〜な。釣れて。また、お願いしま〜す」
「また来週〜」


戻る

Copyright (c) 2008 WATANABE COMPANY. All rights reserved.
inserted by FC2 system