勝者は誰? in 小鮒川(2008.05.26)

「おはようございます」
「やあ。朝は眠いね、ミキオ君も?」
「それはそうですよ。仕事ですから」
「あ、そっか。足場かけね」
「はい。しばらくかかりますんで、見ていてください」
ワッセ!ワッセ!いそいそ、いそいそ。
「へえ〜。水平まで見るんだ?」
「はい。じゃないと危ないですから」
「そうなんだ、丸太じゃないんだ」
「ははは。いまどきないでしょ。あれは危ないですよ。ずれますから」
「お茶にするかい、旦那?」
「あ、すいません。月曜日はどうしますか?」
「雨で、行くとこないから、久々の小鮒川。どう?」
「僕はどこでも」
「じゃ早めにミミと来てね」
「わかりました。ところで、外壁の色は何色にしますか?」
「悩んでるんだよ。桜吹雪にでもするかね」
「いえいえ。考えておいてください」
「あいよ」

「おぉっ!また来た。ここは凄いですね。アタリはあるし、1時間に1匹釣れる」

超オーバーハングの下に入れたミミ。
「流石だね」
「いえ、たまたまです」

あとがき
「ここは凄いですよね?」
「何が?」
「『何が』って…最近ではこんなにアタリがあるところは珍しいじゃないですか」
「あのね。ここは去年も5人で来た。そのときの旦那の意見は、40を頭に3本釣ったにもかかわらず『ここは面白くないし』だったって覚えてる?」
「え?そうでしたっけ。まあいいじゃないですか。社長も惜しかったですね」
「あ〜、あの葦の中ですね」
「そう、ミミの言うとおり。旦那はさ〜、ボートポジションが近くて、俺的には非常にやりにくい。だから無理やりパラ葦の中を攻めた」
「あ〜、あの立ってやってたときですか?」
「そうだよ」
「あれはでかかったですよね?楽に40は超えてましたよ」
「あ〜、僕も見ましたよ。良くびっくりアワセしないなぁって感心してました」
「だろう!?自分でもびっくりしたよ。それまで1回しかアタリがなかったのに、完璧なアワセだった。食うとこまで見ちゃったよ」
「残念でしたね」
「良く言うよ。俺はお願いしたじゃん『巻かれちゃうから、船寄せてって』にもかかわらず、微動だにしない」
「そうでしたっけ。抜けばいいのに、何してるんだろうって思ってました」
「抜くには、ある程度寄らないとダメじゃん」
「いつもなら、平気で寄せてくるじゃないですか?」
「いやいや。葦の中でかけたわけだから、手前の葦に巻かれちゃうでしょ。だから寄せてくれてってお願いしたわけでございますよ」
「なるほど〜」
「ちなみに、3回お願いして、ようやく寄せてもらったときには、予想通り手前の葦に巻かれてた」
「その時点では、まだかかってましたよね?ルアーに」
「ミミの言う通り。『まだ付いてる』って言ってから、旦那は渋々動き出した」
「そんなにですか?」
「そうだよ、そんなにだよ。こりゃ陰謀だよ」
「今日は、僕もミミも釣ったので、社長が敗者です」
「勝者は旦那?39だから」
「はい。調子いいです。釣ったルアーは全部違います。社長が釣れなかったのは、一番いいときに寝てたからです」
「だったら、起こしてくれよ」
「起こしましたよ。『社長、釣れた釣れたって』言ってたら、船縁でばれちゃった」
「なんだよ、俺のせいかよ?網がないからってか〜」
「まあそんな感じです」
「あ、そうですか、おめでとうございます。帰りの運転はお任せください」
「来週もここにしますか?」
「まあ、そうなるだろう。水曜から雨の予報が出ているから」
「楽しみですね、また来週〜」


戻る

Copyright (c) 2008 WATANABE COMPANY. All rights reserved.
inserted by FC2 system